9月11日に、大阪府立大学全学同窓会組織「校友会」と経済学部同窓会「陵友会」との共催で近鉄百貨店の飯田圭児社長による講演会が行われました。その講演会に現役生として参加した経済学部3年の薮内さんによるレポートです!
◆飯田 圭児
近鉄百貨店 社長
1971年、大阪府立大学経済学部卒。同年近畿日本鉄道株式会社に入社。近鉄百貨店に移籍後、生駒店店長、執行役員等を経て、2009年代表取締役に就任、現在に至る。
話題の阿倍野ハルカス 府大卒業生の飯田社長から生の声をきいて
―きっかけは学内のポスターから
私は経済学部に所属し、主に行動経済学を学んでいます。行動経済学とは、経済学に心理学の知見を取り入れた学問です。ゼミでは、あべのハルカスの経営戦略、特に非物販スペースについて研究をしています。あべのハルカスの特徴は、非物販スペースが全体の25%を占めていることです。利益が出る物販スペースを減らしてまでそれを増やす理由は、「お客様に長時間滞在してもらうことが利益に繋がる」という行動経済学の理論に基づいています。そんな時、学内でポスターを見て、運よくこの講演会に参加する事ができました。
飯田社長は府大経済学部ご卒業ということで、私の直系の先輩です。ハルカスに入るメンズエステを「早速体験してきた」というユニークな社長から、日本一滞在時間の長い百貨店をつくる具体的戦略や、「休日は『ハルカスに行けば何でもできる』と言ってもらいたい」という想いも直接伺う事ができました。(特に串カツや大阪寿司など、大阪のうまいもんを集めた「大坂通」フロアには、すぐにでも行きたくなりました。笑)
―得たものは、学びと先輩のつながり
ゼミの課題である「利益のでない非物販スペースを、多く取り入れたのはなぜか」という質問にも、「買う目的がなくても『来たい』と思える場所にしたい。モノを売る/買うだけの百貨店ではなく、モノ・コト・ヒトの三つで成り立つ百貨店を目指したいのです。」と自らの言葉でお答えくださり、より深くあべのハルカスと行動経済学の関連を学ぶことができました。他の百貨店もなし得ない、新しくて大きなプロジェクトを率先して行った近鉄百貨店は、勢いのある魅力的な企業だと改めて思います。
また参加されていた多くの府大卒業生の方々と、仕事や社会、就職活動、老後の過ごし方まで幅広くお話しすることができました。今までこういう機会はなかったのですが、人生の先輩である皆さんからたくさんの刺激を受けて、就職活動への気合いも入りました。
参加した学生は私を含め5人と少なく、大変緊張しましたが、自分が普段関わることのできないような人たちとの出会いは貴重で、最後には楽しかったという気持ちも芽生え、とても充実した一日になりました。
(写真は飯田社長と現役生参加者)
【取材:薮内理恵菜 (MICHITAKERs/経済学部 3年)】
【取材日:2013年9月】 ※所属・学年は取材当時