8月15日~22日に秋田県能代市で開催された第10回能代宇宙イベントのUNISEC(※1)缶サット競技のミッション部門において、小型宇宙機システム研究センター有志のCanSatチームが予定していた「ミッション」を見事成功させ、優勝しました。

能代宇宙イベントは宇宙教育の普及と宇宙開発を支える人的資源を育成することに加え、航空宇宙技術の交流を通じ地域活性化をめざしているイベントで、秋田県能代市で毎年8月中旬に行われる日本最大規模の学生・社会人によるロケット打上および自律ロボット制御のアマチュア大会です。
ハイブリットロケットと呼ばれる爆発物を使わない全く新しいタイプのロケット打上げや、缶サットと呼ばれる自立制御型のロボットが気球から落下され目的地をめざす競技などが行われます。
本学チームが参加したUNISEC缶サット競技のミッション部門は今年から新設された部門で、気球から落下する空缶サイズのロボットがチームごとに設定する「ミッション」を予定通り行えるかどうかを競うものです。参加した全3チームの中で、唯一府大チームだけがミッションを成功させました。

そのミッションとは「脳波コントロールを用いた“念写”」と題し、脳波に反応するおもちゃを利用して上空の缶サットに搭載したカメラに信号を送り、一定条件でシャッターがおりるよう制御するというものです。

(※1)UNISEC
大学宇宙工学コンソーシアム(University Space Engineering Consortium:UNISEC)は、大学・高専学生による手作り衛星(超小型衛星)や缶サット(超小型の模擬人工衛星)、ロケットなど宇宙工学の分野で“実践的な”教育活動の実現を支援することを目的とする特定非営利活動法人です。41の大学・高専から60団体が参加。

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(左の写真)CanSatチーム:左から船越さん、稲田さん、梅本さん
(右の写真)気球から落下する缶サット

 

今回は学生有志チームのお1人、工学域機械系学類航空宇宙工学課程2年生の梅本佳歩さんにお話を伺うことができました。

―イベントにチャレンジしたきっかけを教えてください。
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今年の2月28日にOPUSATが打ち上げられた後、はやくも次の衛星OPUSAT2(仮称)の開発に向けての議論が進められていました。次のプロジェクト内容の構想を練る話し合いが続く中、プログラミングなど開発実務に関わることをしながら「何かを作りたい」という工学域電気電子系学類情報工学課程3年生の船越さんの想いに賛同したのが、工学域電気電子系学類電気電子システム工学課程2年生の稲田くんと私でした。そして能代宇宙イベント出場をめざして缶サットを作ろう、ということになったのです。


―缶サット開発について成功または苦労した点はありますか?

脳波に反応するおもちゃのカスタマイズが難しかったです。ミッションの中核となるのが、おもちゃを着ける稲田くんが集中している時に出す脳波をデータとして取り出すことでした。そのため脳波を何度も計測して集中時とそうでない時(リラックス時)の線引きを分析する必要があり、稲田くんに好きなTVを見てもらってリラックス時の脳波の参考としたり、数独を解いてもらって集中してもらったりと様々な場面を設定しました。
約3ヶ月の開発期間の中でもBread Board Model(ブレッドボードモデル)という衛星開発の一番最初の段階で試作されるモデルの試験期間に、じっくりと時間をかけて運用を試したことがミッション成功につながったと思います。

―イベントを終えて感じていることを教えてください。

今回の成功が自信になりました。ミッション成功後、会場に来ていた脳波の利用を研究している企業の方から声をかけてもらう機会があり、自分たちの目標達成の喜びだけでなく、周りへの“影響”という部分が感じられて嬉しかったです。これからOPUSAT2(仮称)の開発に向けて、後輩のモチベーションアップにもつながれば良いと思います。「人と違うことにチャレンジする」ことの大切さを感じました。IMG_7427-1024x682

 

【インタビューを終えて】

広報活動で知り合う学生さんに共通して思う事ですが、「こんなにしっかりしていて、本当に2年生!?」と思わずビックリしてしまうくらい、しっかりと目標や夢を持って、一言一言をしっかりと話してくださった梅本さんでした。これからもたくさんの仲間と一緒にたくさんのミッションを乗り越えていくんだろうなと思うと、とても楽しみな気持ちになりました。小型宇宙機システム研究センターとOPUSAT2、これからも注目していこうと思います。充実した学生生活、楽しんで頑張ってくださいね!

【取材:皆藤 昌利(広報課)】
【取材日:2014年8月26日】