本日は、ミチテイク・プラスのOB・OG取材として、読売テレビアナウンサーの林 マオさんにお時間を頂きました。林さんはアナウンサーとして、日々視聴者に様々な情報を届けている方です。

◆林 マオ(はやし まお)

○aDSC04711_sss

【プロフィール】
2008年 大阪府立大学 経済学部卒業。同年、読売テレビにアナウンサーとして入社。学生時代からタレントとして活動し、リポーター業を中心にテレビドラマやCM、舞台など多方面にわたって活躍。入社後はアナウンサーとして数々の番組で情報を届け、結婚・出産も経験。2014年6月に育休から復帰し、現在は仕事と家庭の両立をしている。2015年3月より、大阪発の全国放送の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」のメインキャスターとして活躍中。

 

今回は、そんな様々な経験をされてきた林さんが、アナウンサーとして現在どのように活躍されているのか、仕事人として、母として、それぞれの役割をバランスよくこなす林さんならではの経験や想いをしっかりと聞いてきました!

<学生編>
1.受験の際、なぜ府大を選ばれましたか?
大学に進学するにあたって、国公立大で、さらに自宅から通える距離がいいなと思ったからです。実際に府大に進学してからは自由で落ち着いた雰囲気、校舎のレトロ感なども魅力的だと感じ、肩肘を張らずに学生生活を送ることができました。

2.学生時代にはどんなことをしていましたか?
大学時代は、主に「大阪ほんわかテレビ(読売テレビ)」、「おはよう朝日です(朝日放送)」のリポーター業に力を入れていました。「おはよう朝日です」のリポーターを務めているときは、朝の3時に起きて番組に出演し、そのまま学校に行くという生活でした。どうしても授業に遅れてしまうことや欠席してしまうこともあったのですが、先生と相談し、友達にも助けて頂きながら単位を取得していました。先生との距離が近く、何でも相談できたのも府大の魅力の一つですね。

 aDSC04710_s-150x1503.府大で過ごした学生生活で、印象に残っていることを教えてください。
大学4年の秋の文化祭「白鷺祭」で、同じ経済学部の女子メンバーと一緒に「だし巻き屋さん」を出店したことです。みんなでTシャツを作ったり、だし巻きのキャラクターを考案したり…学生時代最後の文化祭は非常に楽しかったです。だし巻きは評判も良かったんですよ(笑)

4.アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。
学生リポーターをしていたとき、番組が終わってから大学へ行っていたのですが、そこで友達が「今日紹介していた店いいね!」とか「朝から面白いことしてたね!」とか言ってくれて。そのとき、色々な人が見てくれていて、自分が関わっている番組を楽しんでくれているんだな、情報が誰かの役に立っているんだなと感じました。そこから「伝えることの楽しさ」を知って、アナウンサーという職業を意識しました。

5.「府大を出て良かったなあ」と思う点は何かありますか?○aDSC04665_s-300x122
私立ではなく公立ならではの落ち着いた雰囲気や、先生との距離が近いことですね。のんびりやな自分に合っていて、そこがとても良かったです。

 

<お仕事編>
6.読売テレビに入社されて、今までのお仕事の中で印象に残っているお仕事を教えてください。
やっぱり、初めてテレビでニュース原稿を読んだ時が印象に残っていますね。新人アナウンサーが初めて放送でニュースを読むことを「初鳴き」というのですが、たくさんの先輩が私の初鳴きを見守って下さっていて。お昼のニュースを読んだのですが、噛むことも間違えることもなく終えることができました。本当に周りの方々に支えられていると感じます。
また、学生時代にリポーターとして出演させて頂いていた「大阪ほんわかテレビ」に、アナウンサーとして再び関われた時もとても印象に残っています。共演者の方々と一緒に番組を作り上げているんだ!という気持ちが一層高まりました。

7.今は主にどのようなお仕事をされていますか?
今年6月に育休から復帰したばかりなのですが、今はお昼のニュースや「大阪ほんわかテレビ」を担当しています。そのほかにも、番組の提供を読んだり、ナレーションをしたり、社外では小学校に訪れて、本の読み聞かせなども行っています。

8.テレビ局で働いているからこそ感じる、面白みや醍醐味はありますか?
私の場合はリポーターとしていろいろな場所に行くことが多いので、普段自分では行かない場所に行けたり、会えない人に会えたりすることがとても面白いと感じます。以前、沖縄本島のさらに東にある南大東島に行き、洞窟の中に入ってとてもきれいな水たまりを見たりもしました(笑)そこに行く旅程もテレビならではで、飛行機の直行便もあるのにあえて船で約17時間かけて行ったりするなど、一生で一度しか経験しないようなことをたくさんできることが非常に魅力的だと思います。
また「大阪ほんわかテレビ」では、変わった趣味を持った人や面白い人を取材することが多いのですが、そういう方に会うと、自分では見えることのなかった世界を見せてもらえるので、自分の中の世界観も広がります。本当に色々な人に会えることはテレビ局で、アナウンサーとして働いているからこそだと感じます。

9.働き出してからと学生時代とで、自身の中で一番変わったことは何でしょうか?os-150x150
「責任感」ですね。学生時代はレポーターのお仕事もあって授業に遅れてしまうこともあったのですが、社会人になったら自分だけでなく周りにも多大な迷惑をかけてしまうので、時間にはかなり気を付けています。また、視聴者に情報を届けるアナウンサーという「伝え手」として、一つ一つのニュースを責任感を持って伝えなければいけないなと思っています。例えば天気一つを伝えるにしても、「明日晴れでよかったですね!」と伝える場合、農業に携わっている方はもしかしたら雨が降ってほしいかもしれなかったりと、自分の発する一言で相手を喜ばせたり、悲しませたりもしてしまうかもしれないということには常に意識しています。また、私だけの責任ではなく、会社自体の信頼に関わりますので、そういう点でも責任感というものが身についてきました。

○aDSC04820_s

10.お仕事をする中で、くじけそうになったときの気持ちの切り替えかたを教えてください。
お仕事が終わって、家に帰って子どもの顔を見ることです。嫌なことや失敗したことがあっても、子どもの顔を見てギュッとするとすぐにリセットできます。もちろん、失敗は反省をしなければいけないんですけど、そこでウジウジ言わずに次に行こうと思えるのは、やはり子どもがいるからですね。出産前は、友達と遊んだり、相談に乗ってもらったりしてリフレッシュしていました。

11.いつかやってみたい、挑戦してみたい仕事はありますか?
母親になったということもあるので、お母さん向けの情報番組をやってみたいなと思います。子育てや家事をしていると、お昼にはゆっくりテレビを見る時間がなかなか取れなかったりするんですよ。夜、子供が寝る21時、22時あたりから自由な時間ができるので、そこでお母さん向けの子育てや夫婦関係のことをざっくばらんに話せるような気軽な番組ができたらなと思っています。

aDSCN1926_s-1024x584

<ワークライフバランス&ご家族 編>
12.アナウンサーというお仕事はハードだという印象なのですが、妊娠中、産休に入られるまではお仕事と体調管理のバランスはいかがでしたでしょうか?
妊娠中は「かんさい情報ネットten.」(毎週月曜~金曜 夕方4時47分~放送)に連日出演していました。しかしつわりがひどい日もあり、どうしても出社できないときは上司に相談し、お休みをいただいていました。まわりの方々の協力があったので、出産ギリギリの時期まで仕事を続けられたのだと思います。

13.仕事人、妻、母、というそれぞれの役割のバランスを工夫しながら、今は1日をどのようなスケジュールで過ごされていらっしゃいますか?sa-150x150
本当に目まぐるしい毎日を送っています。朝起きてからは、完全に母親としての自分ですね。子どものご飯を作ったり、洗濯をしたり、洗い物をすることから1日がスタートします。これはほとんど同時並行ですね。
最近では、夫も子どもを保育所まで送ってくれたり、いろいろと協力してくれるので助かっています。
また、自分の時間をほとんど取ることができないので、メイクも途中で出社することもしばしばあります。(笑)出社は9時ごろで、そこからは仕事人に切り替わります。朝のミーティングに参加し、発声練習をしたりしているうちにお昼の番組の本番時間になります。その後、資料整理をしたり諸連絡をしているうちに、あっという間に退社時間になります。乗らないといけない電車の時間も決まっていまして、それで急いでお迎えに帰ります。そこからはまた完全に母親の自分になりますね。

aDSC04769_s-300x16014.結婚、出産を経て、仕事観や仕事のスタイルなどに変化はありましたか?
結婚・出産を経てということではないのですが、もともとは、専業主婦であった母の影響で結婚・出産後は自分も専業主婦になりたいと思っていました。しかし、実際にそうなってみると出産後も仕事を続けたいと思い、周りの支えもあって今仕事を続けさせていただいております。仕事と家庭の両立なんてできるのだろうか…と不安に思っていましたが、やってみると意外となんとかなっています。
また、仕事に行っているときは子どもに会えないので、仕事が終わって子どもに会えると、嬉しさやかわいさが倍増します。一緒にいられる時間が短いことで得られるものもたくさんあると感じますね。

15.お子さんの世代にバトンをつなぐ我々学生の世代として、どのような地球/日本を創っていって欲しいと望まれますか?
子どもが生まれてからも仕事を続けられるような、みなで支えあえる社会にしていってほしいですね。また、男性でも育休がもっと取りやすい社会になってほしいです。
あと、保育所ももっとたくさん増やしてほしいなあと思います。

DSC04651_s

<―最後に― 人生哲学的なことや、後輩へのメッセージ>

16.大学生におススメの本や、映画があれば、ぜひ教えてください。
東野圭吾さんがとても好きで、どの作品もおすすめです。
映画でしたら、「サウンド・オブ・ミュージック」と「三十四丁目の奇蹟」が好きです。少しメルヘンな映画なのですが、是非ご覧になってみてください。また、テレビ局には基本的にテレビが好きな人が集まります。ですので、テレビ局志望の方にはテレビを特にたくさん観てほしいですね。

DSC04649_s-300x27717.大学在学中に、ぜひやっておいた方が良い事はありますか?(勉強に関してでも、遊びに関してでも、どちらでも大丈夫です。)
やはり、大学生ほど自由な時間・自分の時間があるときはないです。その時間を活かして、何か1つ、自分が自信を持ってアピールできることを見つけてとことんやり抜いてみてください。

18.学生の時と社会人の今とで、勉強する事の「量」「質」「学び方」などで何か違いを感じていらっしゃいますか?
社会人になれば、勉強をすればするほど自分の身になると感じます。また、仕事柄、何事にも興味をもって積極的に調べるようになりました。時間があるときは基本的に自分で勉強するのが一番ですが、時間がないときは人にきくのが一番理解が早いですね。テレビ局には情報デスクの方がいらっしゃるので、私もよく質問させていただいています。

19.後輩の大阪府立大学の学生、また社会に出る府大女子学生にエールをお願いします!
社会人になるまでの自由な時間を活かして、とことん何かをやりきってください!それから、友達も大事にして日々の生活を楽しんでください。また、女性にはぜひ結婚・出産後も仕事を頑張って続けてほしいなと思います。

aDSC04825_s

林 マオさんから、受験生の皆さんへメッセージをいただきました!
ぜひご覧ください。

▼卒業生からのメッセージ<読売テレビアナウンサー・林マオ>

<取材を終えて>
アナウンサーという職業の魅力を教えて頂いただけでなく、府大の魅力も改めて感じる良いきっかけを与えてくださいました。今回の取材を踏まえて、自由な時間がたくさんある学生時代に、悔いのないよう何にでも挑戦しようと思いました。
<奥嶋 駿介 MICHITAKER’s/大学院工学研究科 物質・化学系専攻 博士前期課程 1年>

府大の先輩としてはもちろんですが、社会人として女性として本当に尊敬できる方でした。林マオアナウンサーのような女性に私もなりたい!と思った取材でした。貴重なお時間をありがとうございました。
<正信 阿優美 MICHITAKER’s/人間社会学部 人間科学科 4年>

【取材日:2014年11月19日】

 

aDSC04823_s-300x128