4月30日、羽曳野キャンパスで「公衆衛生看護学Ⅱ演習」を取材しました。
この講義は3年生を対象としており、赤ちゃんの抱き方から食事、もく浴までを、新生児モデル(赤ちゃん模型)を用いた演習を通して学んでゆきます。模型とはいえ、赤ちゃんを扱う演習。爪は短く整え、ネームカードなど尖ったもので赤ちゃんを傷つけないよう配慮します。
まずは、赤ちゃんの抱き方の練習。
体は小さくても意外と重い赤ちゃん。頭や首をしっかり支え、赤ちゃんに不安を抱かせないようやさしく抱き寄せます。抱いて下ろすまでの一連の流れは、今日の演習の基本の動作となります。
おむつ交換では、男の子と女の子の違いに注意しながら慎重に。
衣類の着せ方では、準備も大切。寝かせたまま、少ない動作で着せられるよう、肌着とウェアは重ねてスタンバイしておきます。この準備は、後に体験するもく浴後の着替えの準備にもつながります。
続いてもく浴。
お湯や道具の準備、着替えの準備(さっき学びましたね)に始まり、赤ちゃんの顔をふいたらいよいよベビーバスへ。
「赤ちゃんを驚かせないようにやさしく声をかけながら、足からゆっくりお湯に入れてあげてね」「洗う順番は上から下へ、おなかから背中へ、肘の内側やひざの裏、てのひらのしわの部分に汚れが残らないように」などと先生から声がかかります。
おなか側、背中側と順に洗い終えたら、体と顔の水分をやさしく拭き取って服を着せます。何度も練習した着せ替え。学生さんたち、笑顔の声かけを絶やさず、素早く服を着せていきます。
新生児モデルを使った演習はここで終了。
続いては、赤ちゃんの食事についての演習です。講義室には成長段階別の1日の食事例がずらりと並べられています。はじめはほとんどミルクのみの食事ですが、12~18ヶ月の食事の見た目は大人の食事と大差ありません。それだけ、この期間の赤ちゃんが劇的に成長するということ。
演習では、哺乳瓶でミルクを作ったり、離乳食を作って試食してみたり。同じ離乳食でも月齢によって固さや味付けが微妙に調整されていることを確かめます。母乳やミルクから幼児食に移行する離乳の期間は、成長に必要な栄養を摂取するだけでなく、「かむ」「のみこむ」といった「食べる」練習の期間であり、食事の楽しさを覚えていく大切な期間。大人の舌には少し微妙な味付け(?)でも、しっかり意味があることを味わった学生たちでした。
今回の演習は、学生にとって、「保健師」として学ぶことはもちろん、「父親、母親となった将来の自分」のために学ぶ側面もあったのではと感じます。赤ちゃんを扱うやさしい手つきと真剣なまなざしがとても印象に残りました。
【取材:仲田 くるみ(広報課)】※所属は取材当時
【取材日:2015年4月30日】