2015年6月に新たなコミュニティが誕生します。
その名も「グッドタイム リビング なかもず」。
白鷺駅北へ徒歩5分に位置するその建物は一見するとただのマンション。しかしそこには学生マンションと有料老人ホームが併設され、日本でも他に例のないコミュニティ作りに挑戦する府大生の姿がありました。
今回はそんな新しい試みを進める「グッドタイム リビング なかもず(以下、GTLなかもず)」の新入居者向け歓迎パーティーにお邪魔し、新たなコミュニティ形成に向けて挑戦していこうとする府大生を取材してきました。IMG_0267-300x178


ボランティアではない、根っからの付き合いを

「表面だけの付き合いじゃなくて、根っからの付き合いができる場を作りたいんです。」
そう話すのは学生リーダーの岡野くんと磯﨑くん。彼らの思いにはとても熱いものを感じました。
隣人付き合いの希薄化が進む昨今、GTLなかもずでは「クロスエイジプロジェクト」と題して、学生とお年寄りが一つの建物で暮らし、コミュニケ―ションの 場を作ることで隣人との交流を深めていこうとします。有料老人ホームの1階共有スペースには入居者が気軽に立ち寄れるレストランや、サロン、クラブ活動用 の部屋などがあり、そこで開催するイベントを通して交流していきます。
そしてゆくゆくは近隣の住民や学生を交えたコミュニティの拠点にすることが彼らの目標だそうです。
「学生はお年寄りと交流というと、どうしてもボランティアという意識が拭えていない。私たちはそんな意識をこのプロジェクトの試みで変え、お年寄りとの交流をもっとハードルの低いものにしたい。」
彼らの挑戦はまだまだ始まったばかりです。

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学生の考えがそのまま企画実行できる環境にやりがいを感じる日々
「元々は学生マンションの斡旋のバイトをしている時にたまたま誘われただけなんですよ。」と語るのは岡野くん。
「でも学生リーダーとしてやっていくうちに、自分の考えたことが全て形になっていくことがなんだか楽しく思えてきて、今ではのめり込んじゃってますね。」
福祉という自らの専攻とは関係のない分野のことになぜそこまで力を注いで取り組むことができるのかという質問に対して、磯﨑くんはこう答えてくれました。
「自分たちが考え、誰もやったことのないことに挑戦しているという実感があるからです。私は今友好祭の実行委員をしていますが、プロジェクトの活動も同じような楽しみを見出して取り組んでいますね。」

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学生が作るコミュニティ 主役は1年生
「でも、僕たちは指揮していく立場で、本当の主役はここに住んでいる新入生たちです。」
この学生マンションに住んでいる学生は現在59名おり、そのうち50人は1年生。これから6月には老人ホームの入居者も入り、プロジェクトの運営が本格的 にスタートしていく。これからはお年寄りの方の様子も見つつ、1階の共有スペースを使ってどのようなイベントを打ち出していけるのか。

プロジェクトの注目すべき点は、イベントの企画を入居者だけでなく地域の方や非入居者の学生なども担っていける点。実際に入居している学生やお年寄 り自身がこのマンションで過ごしていく中で、このコミュニティで何をしたいか、何ができるか、それを学生同士が話し合い、実行していきます。
本日の歓迎パーティーでは、府大からアカペラサークルONE BEENSとダンスサークル舞士が参加し、会場を盛り上げてくれました。
プロジェクトの挑戦の行く末はこの若き新入生にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
縁あって入居した彼ら新入生はこの白鷺に一体どのようなコミュニティを作り上げるのか。

これからのプロジェクトに、そしてそれを取り仕切る学生リーダーの岡野くん、磯﨑くんにぜひご注目ください!

<取材を終えて>
ソフトな面のコミュニティデザインは最近の府大のトレンドなのかもしれませんが、やはりその必要性は民間企業でも認識されつつあるということが今回の取材 で知ることができました。また、日本初の試みに対して果敢に取り組む岡野くん、磯﨑くんの姿にも心を打たれました。こういった府大生がまだまだ隠れていた のかと思うと、府大はまだまだ面白い人が多い、と改めて実感できる取材となりました。
また、このような取材の機会を設けて頂いたオリックス・リビング株式会社の渋谷さん、廣田さん、取材を快諾してくれた岡野くん、磯﨑くんへ感謝いたします。ありがとうございました。


取材先:
グッドタイム リビング なかもず
運営:
【老人ホーム】オリックス・リビング株式会社
【学生マンション】株式会社コープリビングサービス

協力してくれた学生:
岡野大毅(工学域 物質化学系学類 応用化学課程4年)
磯﨑翔也(工学域 電気電子系学類 電気電子システム工学課程3年)

【取材:松田 景太(MICHITAKERs/大学院工学研究科 物質・化学系専攻 博士前期課程 2年)】
【取材日:2015年5月14日】
※所属・学年は取材当時