<プロフィール>
片岡 正教(Masataka Kataoka)
大阪府立大学 地域保健学域 総合リハビリテーション学類 助教
※2015年取材当時

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-奥田先生とともにどのような研究をされていますか?-
重度障がい者がいかに社会参加できるかや、そのひとつの手段として障がい者スポーツが社会参加に対してどう機能しているかということを研究テーマにしています。

その中で、障がい者スポーツ選手の動きをバイオメカニクス(生物の構造・運動の力学的な探求アプローチ)的に分析し、選手の強化につなげたりもしています。

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大阪府立看護大学の時代から、私は学生・院生として卒業研究、大学院ともに奥田先生の研究室で障がい者の社会参加支援に関することや障がい者スポーツに関する研究を進めてきました。

奥田先生は非常に熱い心を持った先生で、「気合と志」という言葉を教わりました。ただ数字とにらめっこするだけではなくて対象者と向き合い、気持ちを想像し、人間味のある研究をされていてとても尊敬しています。

障がい者スポーツの普及とともに社会参加できる方が増えるはずだという想いのもと、奥田先生と一緒に盛り上げていけたらと思います。

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―関わる学生たちをどのようにご覧になっていますか?―
例えば今日のような代表合宿でも、体育館での強化練習だけではなく、食堂への誘導や選手の送迎など、選手とのいろいろな接点があります。また、合宿だけではなくて、他のいろいろなイベント、例えば大会運営そのものにも関わっています。

合宿や大会に関わる学生は自分の役割が何か、自分がどう動けば全体がスムーズに行くかなということをイメージして動いてくれていると感じます。

奥田先生もよく言われていますが、高校生までは、大学に入るための勉強などで「自分のために」時間を使うことが多かったと思いますが、こういう機会に参加することで「人のために」時間を使って今後のために視野を広げてもらえたらと思います。

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―ボッチャ日本代表との関わりを通じて学生に得てほしいことは?―
日本代表の活動に関わっている学生は、将来理学療法士を希望する理学療法学専攻の学生が比較的多いです。

一般的な理学療法士のイメージは、病院のリハビリテーション室の中で理学療法を行なっているという像ですが、本来は自立した生活に向けて障がい者がある方を様々な場面で支援していく役割を担っています。

対象者が病院を退院するまでが仕事ではなく、その先の生活まで考えていかないといけない職業です。病院だけではなくてこういう場面で障がいのある方に関わる・支える経験は、学生たちにとって必ずプラスになると思っています。

また、理学療法学専攻の学生以外にも、今日も来てくれていますがフラっと見学に来てくれる学生も多数います。

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理学療法士など、リハビリテーションの専門家にはならなくても、こういった経験から社会のどこかで障がいのある方たちと接していくことも多くあるのだという意識を持ってくれたら嬉しいなと思いますし、身近な存在としてとらえてくれるようになるといいので、どんどん学生たちにも見に来てもらい、彼らのすごさに気づきながら、そのあたりを感じていただけたらと思います。

 

【取材:皆藤 昌利(広報課)】
【取材日:2015年5月30日】※所属・学年は取材当時

 

元記事:ボッチャ日本代表代表合宿の記事はこちら!

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