<プロフィール>
加藤 翼 (Tsubasa Kato)
大阪府立大学 地域保健学域 総合リハビリテーション学類 理学療法専攻 4年
※2015年取材当時

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-ボッチャ日本代表の活動に参加したきっかけを教えてください。-
もともと大阪府立大学をめざすようになったきっかけそのものが、障がい者スポーツに関する研究や取り組みが盛んな大学だと知ったからです。

とはいえその頃は、障がい者スポーツといっても車椅子バスケなどのメジャーなスポーツしか知りませんでした。この大学に入って、障がい者の方とスポーツをしたり、お手伝いをする学生団体「アダプテット スポーツ クラブ(ASC)」に入り、その活動の中でボッチャという競技に出会い、関わってきました。

実際に日本代表の活動に関わらせていただいたのは3年でゼミに入ってからです。奥田教授のゼミが障がい者スポーツのサポートに関するゼミなので、入学したときからそのゼミに行こうと考えていました。無事、奥田先生のゼミに入ることができて、研究の始まりとともに日本代表チームとの関わりが始まりました。

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-ボッチャ日本代表に関わっていて苦労していること、工夫していることは?-
ボッチャは四肢や体幹に障がいのある方のスポーツですので、選手の身体を自分が体感できないなかでサポートしたりアドバイスする時に難しさを感じます。投げ方ひとつアドバイスするにも、自分ができる動きと選手ができる動きはそれぞれに違います。選手の能力を見極めて、選手がやりやすいやり方を一緒に考え、見つけていけるようにサポートしています。
私はまだまだ個人の能力を見極めきれていないので日々苦労していますが、将来理学療法士として仕事をする時のためにも、前向きにそのことを学ばせてもらっています。

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-関わる前と関わった後でボッチャに対する気持ちの違いはありますか?-
スポーツとしてボッチャの奥深さに対する思いが変わりました。最初は赤玉・青玉をジャック(白ボール)にいかに近づけさせるかだけが大事なポイントだと思っていたのですが、2点を取るのか4点を取るのかどっちを選ぶかなど、さまざまな場面に沿った戦略・戦術があります。
その戦術にも多様性があって、選手によってもコーチによっても考えは違います。ボッチャに関わっていく中でそれらの奥深さに徐々に気づくことができ、ボッチャという競技の面白さをより知ることができました。

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-これらの経験から将来の夢や学びに生かせることはありましたか?-
スポーツをしていた時は競技者としてオリンピックに行きたいという気持ちが強かったのですが、いまは選手をサポートする側として選手とともにパラリンピックをめざすことが将来の夢に変わりました。
また、ボッチャに関わる際にも競技者だった経験が活かせています。どのスポーツでも「上を目指す」「勝ちにこだわる」という気持ちは共通していますので、大会に向けてのコンディションやメンタルの整え方を選手と話し合う時などには選手時代の経験が役に立っています。いま大学で理学療法という学問を学んでいるうえで、スポーツが好きだという気持ちやスポーツをやっていたという経験が、障がい者スポーツへの関わりに生かせているなと思います。

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【取材:皆藤 昌利(広報課)】
【取材日:2015年5月30日】

 

元記事:ボッチャ日本代表代表合宿の記事はこちら!

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