先生の研究室を訪問し、本棚を紹介する企画「センセイの本棚」。第2回は地域連携研究機構 機構長補佐を務める山本章雄教授に登場いただきました。

 

スポーツ論から、マネジメント論、心理学、社会学まで、多種多様な書籍が並んでいます。

中には、幼い頃に読んだ記憶のある「大草原の小さな家」も。「家族、人と人とのつながりについて描かれている。娘たちに、よく読んであげたこともあって思い入れがあるんです」と山本先生。

(本棚の写真は、PC閲覧だと写真の拡大表示ができます!)

もともと、スポーツ心理学を専攻。その後、プレイヤー、指導者、組織のマネジメントなどの立場を経て、スポーツがもたらす心の変化や、人間に及ぼす影響にまで研究の幅が広がっていったそうです。

スポーツは誰にとっても身近で自分事として捉えやすいもの。先生とお話して、社会や組織に対し、「スポーツだからこそできる何か」があるのではないかと思いました。

「スポーツリテラシー」「スポーツツーリズム」といった幅広い視点からスポーツを捉えた本が並ぶ

山本先生は地域連携機構の取り組みの一環で、講座や連携事業に参加し、地域にお住まいの方々とお話する機会が多いそうです。「相手の考えを決めつけたり、偏見を持つことなく、共に何かを生み出せるような関係作りを意識している」というお言葉どおり、アンテナを高く張り巡らせ、相手のことを知ろうとする姿勢が本棚にあらわれていました。

最後に、山本先生に在学生や卒業生にお薦めの一冊を伺いました。ぜひ、みなさんも手に取ってみてくださいね。

日本スポーツ法学会編 詳解「スポーツ基本法」

出版社:成文堂  2011年刊行

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、スポーツが日本社会の中で注目されています。この機会に、われわれが日頃から楽しみ愛好しているスポーツが法的にどのように位置づけられ、何を目指して振興しようとされているのかを見つめていただければと思い、(堅いタイトルの本で私らしくないのですが)選びました。
この本の内容は、法律制定に至る経緯、スポーツ立国戦略策定の背景、地域スポーツ振興の施策、子ども・青少年健全育成への機能、競技スポーツの活性化、障がい者スポーツの振興など多岐に及んでおり、スポーツが社会の中でどのように機能しているかを理解していただくことができます。
特に、スポーツが基本的人権の一つ「スポーツ権」として確立されたことを知っていただければ幸いです。

 

【取材:西野 寛子、仲田 くるみ(広報課)】
【取材日:2016年4月19日】


 

『センセイの本棚』とは
誰もが一度は覗き見してみたい、「大学の先生」の本棚。先生の研究室にお邪魔するたびに、それぞれの先生の魅力が凝縮されたような素敵な本棚に出会うことからこの企画はスタートしました。先生の研究活動のルーツとなる本から、一見専門から遠いようでも大切な学びを得ることができる本まで、先生の本棚には様々なドラマが隠れています。みなさんも少し覗き見してみませんか?