先生の研究室を訪問し、本棚を紹介する企画「センセイの本棚」。第3回は人間社会システム科学研究科 村田右富実(みぎふみ)教授に登場いただきました。

所狭しと日本上代文学に関する書籍が並んでいます。

「同じ万葉集でも、それぞれ著者によって解釈が異なるのですか?」と(恥をしのんで)質問したところ、「解釈はもちろん、発掘によって新たな史実が判明して、記述が変わることもあるんですよ」と二冊の本を取り出し、分かりやすく説明くださる村田先生。確かに1957年と1994年に発行された万葉集では、岡本の宮の所在に関する記述が異なります。

村田先生は、どのような「音の響き」が心の琴線に触れるのかを、統計学、言語学などさまざまな視点から研究されています。人の感性や思想は「言語」というシステムに大きく左右されるというお考えから、自我や知性に関連する書籍もありました。

 

大阪府立大学の地域貢献組織 地域文化学研究センター長でもある村田先生。講師を務められている公開講座「万葉の道を歩く」シリーズは、次回で16回目を迎えます。講座について「私たちが住んでいる土地は、歴史ある素晴らしい場所だということを伝えていきたい」とお話されていました。

最後に、村田先生にお薦めの一冊を伺いました。ぜひ、みなさんも手に取ってみてくださいね。

正高信男著『ヒトはいかにヒトになったか』
出版社:岩波書店 2006年

人間が人間となるまでの歴史が見事に描かれている。中でも、我々が普段使っている言語がヒトをヒトたらしめていることが分かりやすく解説されている。また、ウタが言語に先行するなど刺激的なお話しもある。

 

▽万葉講演会「第16回 万葉の道を歩く―万葉の四季を詠(うた)う―」について

開催日:2016年5月27日(金)14時~15時30分
開催場所:大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス
詳細はHPをご覧ください。
http://www.osakafu-u.ac.jp/extension/evt20160527/

【取材:西野 寛子(広報課)】

【取材日:2016年4月21日】


 

『センセイの本棚』とは
誰もが一度は覗き見してみたい、「大学の先生」の本棚。先生の研究室にお邪魔するたびに、それぞれの先生の魅力が凝縮されたような素敵な本棚に出会うことからこの企画はスタートしました。先生の研究活動のルーツとなる本から、一見専門から遠いようでも大切な学びを得ることができる本まで、先生の本棚には様々なドラマが隠れています。みなさんも少し覗き見してみませんか?