9/9、「校友会(大阪府立大学全学同窓会)」と「陵友会(経済学部同窓会)」との共催で、本学経済学部OBの児玉 和 グンゼ株式会社代表取締役社長による講演会が行われました。

児玉社長講演会全景

 

貴重なお話が伺えるこの講演会、現役の学生も参加するなか、「120年を迎えた経営理念と事業展開」というテーマで、グンゼのこれまでを振り返り、これからを示す講演となりました。

 

児玉社長プロフィール画像
<OBプロフィール>

グンゼ株式会社
代表取締役社長

児玉 和(こだま のどか)

1948年鹿児島県生まれ、1972年に大阪府立大学経済学部を卒業後、同年グンゼ株式会社に入社。1989年にはアメリカELTECH出向、執行役員ビジネスセンター長、執行役員経営戦略部長、常務取締役などを経て、2012年に代表取締役社長兼社長執行役員(COO)に就任。2014年6月 代表取締役社長 兼 社長執行役員(CEO 兼 COO)

 

 

はじめに児玉社長は、郡の是(正しい方針)という意味の「郡是=グンゼ」を社名にしたという、グンゼの社名の由来に触れるところから話はじめました。

日本の生糸が世界で大きなシェアを占めていた時代、グンゼは“経糸”に使用される高品質の生糸を生産していました。そこからストッキングの生産、肌着の生産を始め、その後、プラスチックフィルムや不動産事業と、事業領域を拡大していきます。

児玉社長講演中1

そして現在は、機能の選択と集中をはかり、肌着や靴下などのアパレル事業、プラスチックフィルムやエンプラ、メディカル関連などの機能ソリューション事業、スポーツクラブや商業施設開発・運営のライフクリエイト事業の3本柱で事業展開しています。

既存の事業が好調な間に次の事業を育成するという考え方で、1896年に創業したグンゼは、従業員数単体で1,842名、連結で6,858名の会社へと発展してきました。

取材した広報担当者は、機能ソリューション事業のメディカル部門で、開発した人工血管により命が救われた海外の少女といまも交流を続けているというエピソードが強く印象に残りました。トップがここまでひとつの製品活用事例に深く関わり、自らケアを続けているのもお人柄だなと感じました。

児玉社長講演中2

 

また、経営において「決して変えてはならないもの」と「時代に合わせて進化させるもの」を織物の経糸(たていと)と緯糸(よこいと)になぞらえて説明。決して変えないという経糸の部分を、児玉社長は創業の精神(郡是=グンゼ)そして働く人への思いだと語られます。

仕事にやりがいがあり風通しのいい会社、自分の子供や孫を入社させたい会社を目指し、グンゼで働く人やその家族を大切にすること。そして世の中のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に事業を通じて貢献すること。そういった一本筋の通った経営精神を持つ児玉社長やグンゼに、改めて魅力的な会社だと感じました。この原稿等を通じて、ぜひたくさんの学生がグンゼの経営方針に触れていただけたらと感じます。

児玉社長講演全景2

児玉社長講演中3

 

< 講演会を振り返って/現代システム科学域マネジメント学類 右大輝 >
「表から見れば工場、裏から見れば学校」と言われる程の、人を大切にする、人を育てる、人を活かすというグンゼの経営理念に感銘を受けました。

人・モノ・金・情報の四つの資源の中で一番大事なものは、ほかの三つを扱う「人」であるということは最近の書物で読みましたが、グンゼは120年も前からそのことに気づき、実行してきたからこそ質の高い製品を生み出し、これほどの大企業になったのだと気づきました。

私自身もサークルの代表という立場をいただいているので、この理念は忘れてはならないと心に刻みました。

 

参加した学生からもコメントをいただきました。右さん、ありがとうございます。

 

【取材:皆藤 昌利(広報課)】
【取材日:2016年9月9日】