10月17日、大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 小西康裕教授が、毎日放送「ちちんぷいぷい」に出演され、石田ジャーナルというコーナーの「都市鉱山の活用」の話題として、先生の研究や実験室の様子が紹介されました。

取材を受ける小西先生

実験をする学生さん達と指導する小西先生

実験をする学生さん達と指導する小西先生

「都市鉱山」とは、使用済み家電製品、自動車、工業廃液などに含まれるレアメタル(希少金属)・貴金属のことをいい、天然資源は特定の国に偏在していることなどから、大きな注目が集まっています。
また、その都市鉱山の量は、天然資源を含めた全世界埋蔵量の10%に相当することから、回収技術開発には大きな期待が寄せられています。

<パン酵母に金属が付着した顕微鏡写真>

小西先生は、「パン酵母」を使用して、レアメタル(金)の回収を行う技術を開発しました。「簡単な方法で、パン酵母を入れるだけでターゲットの溶液の金だけ集めることができる」という、画期的な研究です。
従来技術でのレアメタル・貴金属リサイクルはいくつものステップが必要ですが、パン酵母を使う方法はワンステップでリサイクルが可能です。
また、使用するパン酵母は一般家庭でも使用している身近な微生物なので、安全で低コスト。そして、驚くことにパン酵母は金を好み、95%以上の金が回収できるということです。

実験は下記のような流れで行われました。
①金を溶かした溶液に、パン酵母を加える。
溶液


②4~6時間後にこれを濾過すると、金の付着したパン酵母が残る。
パン酵母乾燥


③乾燥させて燃やすと、金だけが残る。
金の塊

私達の家庭にもある「パン酵母」が、簡単に回収率の高いレアメタル回収技術の素になっていることに、「ちちんぷいぷい」のスタジオでも大変好評だったようです。

この研究のきっかけについて、小西先生は 「微生物というのは、いろいろな金属イオンを細胞に集めて生きています。レアメタルイオンもひょっとしたら、うまく微生物に集める機能があるのではないかと思いやってみました。」と話しています。
そして、目をつけたものがパン酵母。「現時点で純度95%の金抽出に成功しています。純度をもっと上げられるよう、今後も研究を続けていきます。3年後の実用化を目指しています。」と取材を締めくくられました。
難しい研究であるけれど、身近にも感じられる小西先生の研究。実用化され、私達の周りにある使用済み家電製品からパン酵母を使ってレアメタルが回収され、リサイクルされるようになる日が楽しみです。

【取材:大槻 由佳(広報課)】
【取材日:2016年10月12日】