大阪府立大学は平成26年度に、文部科学省「大学教育再生加速プログラムAcceleration Program for University Education Rebuilding : AP」に採択されました。

このプログラムにより、本学はアクティブ・ラーニング科目を専門教育において体系的に位置づけるための一部先行導入やシステム構築、ラーニングコモンズをはじめとした学修環境の整備を進めております。

また、これらの学修成果を可視化するため、学生調査やルーブリックを取り入れた成績評価方法の普及などを行っております。

▼大学Webサイト 平成26年度採択事業/文部科学省大学教育再生加速プログラムについて
http://www.osakafu-u.ac.jp/affiliate/project/h26/#3

そしてこのたび、APの取組の一環として、全教員を対象とした「アクティブ・ラーニング手法導入状況調査」を行いました。その中で特徴的な取組を実践されている教員にインタビューを行い、ノウハウを共有する「Active Learning Reports」を刊行しました。

▼「Active Leaning Reports 第1号」
http://www.ap.osakafu-u.ac.jp/alr1/

本記事では第1号掲載レポートより、ICTを活用した学習支援を実践されている、高等教育推進機構の清原 文代 教授のインタビュー記事を紹介します。清原教授

◆教員プロフィール
清原 文代(きよはら ふみよ)教授 高等教育推進機構
研究分野:中国語教育、e-Learning
担当授業科目:「中国語入門A(基礎)」「中国語初級A(基礎)」ほか

(テーマ)ICTを活用した学習支援

Q. 先生の教育観についてお話しいただけますか?
学生のほとんどは外国語=英語というイメージを持っているでしょうが、世界にはいろいろな言語があります。私が担当するのは初修外国語科目の中国語です。新しい言語を学んで「わかるようになる」「できるようになる」ことを通じて自分の成長を感じられるようになってほしいと思っています。

現在、街中で中国語を聞くことは珍しいことではありません。法務省の資料によれば平成27年度末現在で在留外国人223万人のうち約3割が中国国籍、日本政府観光局(JNTO)によれば平成28年の訪日外国人客2400万人のうち約5割が中国・台湾・香港から来ています。

大阪府立大学には中国語関係の専攻はありませんので、ほとんどの学生が週1〜2コマ×1年間で中国語の受講をやめてしまいますが、中国語の学習を続けたい時のための土台を作りたいと考えています。

Q. 授業ではどんなICTを使っていますか?
幸い私はCALL教室を使用させてもらっています。外部資金を得てiPad30台を導入することもできました。こういった機器を授業中に使用すると他のことをして遊ぶ学生が現れることが懸念されますが、私は時間を区切って具体的なアウトプットを学生に求めます。1つの練習の単位はだいたい2〜3分間で、タイマーをプロジェクタで表示しておきます。

例えば、学生は(1)模範の発音をCALLシステムを使って聞き(2)タブレットの音声入力で指定された文を入力します。この間私は机間巡回をして個別指導をします。また、買い物、電車の乗り換え案内などのトピックについて、ペアで会話を作成し、iPadのロイロノートスクールというアプリを使って動画に撮ってまとめて制限時間内に提出するという活動もしています。学んだことを使ってペアで協力しつつ1つのものを作り上げるのです。

清原教授

Q. 授業外の学習支援をどのようにして行っていますか?
授業支援システムを積極的に活用して学習支援を行っています。文法についてはWeb教材「東京外大言語モジュール中国語」のうち、毎回の授業で取り上げた文法項目へのリンクを貼っています。単語についてはQuizletという音声付きデジタルカードへのリンクを貼っています。そのほか、授業で使用した自作教材は全て授業支援システムからアクセスできるようにしています。

また、毎回の授業の進行状況や予習範囲を授業支援システムに記録していますので、欠席した場合や、授業中にうっかりして聞き逃したことがある場合、自習することもできますし、試験前の復習にも使えます。

Q. 学生は授業を経験してどのように変わりますか?
学生がポートフォリオに記入する自習時間は単位数に見合うものには足りませんが、少しずつ増えています。昨年のクラスでは「道案内の会話を学んだ後に実際に中国語を話す人に道を聞かれた。授業で習ったことだと思ったが、緊張してうまく言葉にならず、結局英語で話した。悔しい。」といったようなことを出席カードに書いてきた学生がいました。今年のクラスでも同様のコメントがありました。

更に今年のクラスでは「電車の乗り換えを尋ねられた。聞き取れない部分もあったが、中国語で案内することができた。」と書いてきた学生がいました。授業で学んだことが知識として頭にあるだけでなく、実際の行動として表れていること、すなわちたとえ拙くても中国語を使ってみようとしたこと、そして使ってみたことを知ってたいへん嬉しく感じました。

▼参考リンク
文部科学省AP大阪府立大学プログラムWebサイト

大阪府立大学中国語講座 紹介ページ