青年海外協力隊としてウガンダに派遣された、生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士前期課程2年の鰐渕元貴さん。

2年の任期中に稲作栽培の研究や農業支援に尽力し、先月帰国、復学されました。

ウガンダでの生活や、青年海外協力隊へ参加するに至ったきっかけをお聞きしました。

■プロフィール
生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 植物バイオサイエンス分野
博士前期課程2年 鰐渕 元貴

2011年に生命環境科学部植物バイオサイエンス学科に入学

大阪府立大学大学院入学後に休学し、JICA青年海外協力隊で東アフリカ赤道直下にあるウガンダに派遣。

ウガンダでは稲の品種や除草の研究から種子管理のお手伝い、現地農家さんのトレーニングを行うなど多岐にわたる活動を行い2017年4月に帰国、復学した。

-海外や青年海外協力隊はいつから意識されていたのですか?

もともと海外に興味はあり、学部1年のときに大阪府立大学(以下府大)の部活動である海外農業研究会(以下海農研)に入部しました。海農研の活動でネパールやインド、カンボジア、ベトナム、ツバル、フィジーと多くの国を訪れるうちに、将来は国際協力を仕事にしたいと考えるようになりました。国際協力を仕事にする者にとって青年海外協力隊はキャリアの登竜門のようになっていることを知り、ぜひ参加しようと思いました。
また、海農研の大先輩で「ブータン農業の父」として奉られていらっしゃる西岡京治さんの影響も大きかったです。

◆大阪府立大学と西岡京治さんの関係はこちら。
https://www.facebook.com/OsakaPrefectureUniv/posts/810044985815159
http://michitake.osakafu-u.ac.jp/2016/09/15/keiji_nishioka/

-ウガンダでの生活を教えてください。

ウガンダでのメインの活動は稲作の栽培技術の研究と、稲種子の増殖プロジェクトの一部である種子管理と圃場管理のお手伝いでした。また、農家さんに栽培期が始まる前に研修と種子の配布を行い、その後各農家さんのところを週1回程度のペースで巡回するということもしていました。

 

ウガンダは赤道直下の国なのですが、標高が平均1200メートルあり平均気温が30度前後だったので、とてもすごしやすかったです。
言語に関しては研究所内では英語を使っていたので苦もなくすごすことができました。現地の村に行くと現地語になるのですが、日常会話くらいだと理解できるようになりました。

-青年海外協力隊に選ばれるのはハードルが高いと思いますが…

今は日本の景気が良く青年海外協力隊に応募する人が比較的少なくなっているので、チャンスかもしれません。
私は稲の栽培という専門性を活かしての派遣だったのですが、専門性がなくても行くことができる部門もあります。

 

2年間の現地での生活費はもちろん、日本の口座に振り込まれ、積み立てていけるお金もあるので金銭面の心配は少ないです。私もこの積み立てたお金を使って残りの修士課程の期間は研究に没頭するつもりです。
青年海外協力隊はかけがえのない経験をたくさんできる制度ですが、府大から行く人は少ないのでぜひ多くの人にチャレンジして欲しいです!

-青年海外協力隊の経験の後、心境の変化はありましたか。

ウガンダに行く前は、帰国後もまたすぐに海外に戻ろうと考えていましたが、この2年の経験を経て、日本での農業関連での仕事の経験をつんでから戻りたいと思いました。
もちろん、国際協力を仕事にするという目標に変わりはありません。

-府大を目指す高校生に向けてメッセージをお願いします。

府大は教員と学生の距離がとても近くとても研究しやすいと感じています。特に農学系の研究は府大のルーツのひとつでもあり、広大なフィールド(農場)が大学内にあるので効果的に研究が進められる環境です。
今はまだ将来何をしたいかわからない人もいるかもしれませんが、選択肢と視点を多く持っていろいろなことにチャレンジして欲しいです!

私自身も海農研で海外からの視点を得て自分が本当に進みたいと思える道が見つかりました。

■リンク

生命環境科学域 応用生命科学類 植物バイオサイエンス課程のページ
http://www.osakafu-u.ac.jp/academics/college/cleas/sals/cpb/

生命環境科学研究科のページ
http://www.bioenv.osakafu-u.ac.jp/

青年海外協力隊
https://www.jica.go.jp/volunteer/spcontent/

【取材:右 大輝(現代システム科学域マネジメント学類)、塩根 春華(広報課)】
【取材日:2017年7月13日】 ※所属学年は取材当時