数学を研究テーマにし、日夜研究に励む大学院生、平山幸夫さん。

平山さんは大学院で数学領域を専攻し「可換環論」・「組み合わせ論」を研究テーマとされています。受験生のみなさんから見ると、生命環境科学域 理学類の中の数理科学課程の流れとなり、日常の様々な部分に使われている「数学」について学ぶ学問です。

学部(府大では学域)時代の4年間に比べ、大学院生になると研究活動が日常の中心となり、受験生のみなさんが思う「大学生」のイメージとはまた違う姿かなと広報担当者は思っています。

大学院生の日常はどういったものなのか?!本日は、数学専攻の中でもいろいろな分野の院生が共用して使う「院生室」にお邪魔し、いろいろなお話をお伺いしました。大学院生の研究の1シーンとして、どうぞご一読下さい

 

■プロフィール
大阪府立大学大学院 工学研究科博士前期課程2年 平山 幸夫

2012年 大阪府立大学 工学域電気電子系学類に入学
2013年 同学類 数理システム課程に配属
2016年 大阪府立大学卒業、大阪府立大学大学院に入学

現在は加藤希理子教授の研究室に所属し「可換環論」・「組み合わせ論」を研究

 

 

-高校時代はどんな生徒でしたか?

実家は兵庫県にあり、神戸にある兵庫県立御影高等学校に通っていました。
部活動はやっていませんでしたが、プログラミングが趣味で簡単なパズルゲーム等を作っていました。

最初の受験は失敗してしまい1年浪人したんです。浪人生活はとてもきつかったですね…毎日受験勉強をするのに耐える事は本当に辛かったです。

2回目の受験では前期 名古屋大学、中期 大阪府立大学(以下府大)、後期 電気通信大学を受け府大と電気通信大学を天秤にかけた時に家からより近い府大を選びました。

 

-大学ではどんな事を学びましたか?

工学域 電気電子系学類では1年生で線形代数や微分積分・解析学を勉強します。もちろん名前に「電気電子」という言葉が付きますので電気の事や教養も学びます。

2年生では電気電子系学類の中にある数理システム課程に配属されました。ここでは高校「数学A」で習う、「集合」や「位相」について勉強しましたね。また3年生では数学の基本である代数学や群論・複素解析を勉強しました。

 

これらを学び、4年生から「可換環論」を勉強し、現在ではこの「可換環論」と「組み合わせ論」が重なる分野を研究しています。高校数学では計算が主な内容となりますが、大学数学は体系的に知識を得て理解する事が主体となります。

私としては、勉強とは既存のモノを扱う事。つまり本屋や資料等で知識を得る事を指しますが、研究とは勉強から得た知識を使い新しい事を生み出す行為を指すと定義しています。
しかし、数学の分野では院生になっても「研究」より「勉強」の要素が多くを占めると思っています。

 

-休日は何をしているのですか?

現在は週に3日ほど大学に来て研究していますが、残りの4日は趣味のプログラミングに時間を費やしたり、自宅で研究をしています。他の分野ではそうもいかないでしょうが、私の研究は紙とペンさえあればできるので、自宅でも研究室でもやる事はあまり変わりがないのです。

大学院を卒業したあとは、既にプログラマーとして内定を頂いているのですが、将来は数学と関わりの深いディープラーニングに携わる仕事をしてみたいと考えています。

 

-「可換環論」・「組み合わせ論」って何ですか?

可換環論とは、「可換」と「環」で言葉が分かれます。「可換」とは交換法則が成り立つ事を意味し、「環」とは足す・引く・掛けるという事を意味します。つまり可換環論とは「足す・引く・掛けるの式の中で交換法則が成り立つ事」を意味するのです。

次に組み合わせ論ですが、これは高校の数学でも学習します。例えばA B Cの3つを並び替える時には3!なので3×2×1=6通りとなる。これが組み合わせ論です。

この組み合わせ論は可換環と対応付けする事ができ、簡単に言えば前述の通り、この可換環論と組み合わせ論が重なる分野を研究テーマにしています。

 

-数学に興味を持ち始めたのはなぜ?

ガロアという偉人をご存じでしょうか。フランス革命の時代を生きた人なのですが、彼は5次以上の方程式には解の公式がない事を証明した人物です。

この証明は彼が19・20歳の時に世に打ち出したもので、現代では大学2・3回生がそれを学びます。100年以上も前の人が同じ年頃でこんな偉業を成し遂げた事は本当に尊敬します。また、彼は決闘で敗北し死を迎えるのです。

そんなガロアの伝記を読み、彼の生き様に感銘を受けました。数学に興味を持ったのはガロアがきっかけですね。

 

-数学の魅力って何なんですか?

気になる・知りたいという気持ちは、誰にも止める事は出来ないものだと思います。私にとってその対象がまさに「数学」でした。上手く説明出来ませんが、数学には私をそんな気持ちにさせる魅力があります。

そして数学ともう1つ…、実は歴史、特に三国志が好きなんです。ストーリーが面白いですよね。でも実は、数学にもちゃんとストーリーがあります。定義や命題を解き明かす事で次の命題が生まれる。ここに私はストーリーを感じてなりません。

また、現在も趣味でプログラミングをしているのですが、アルゴリズムと組み合わせ論は深く関係しています。プログラミングは書いた通りに動くので、余分なモノを省く美しさがあるのですが、数学にも同じ美しさがあります。

数学を研究するにあたって昔より自分が変わったと思う事は物事の定義にこだわる様になった事です。ストーリーは定義することから始まりますからね。

-高校生へ向けて一言お願いします!

府大は全体的にのんびりしている大学です。殺伐としていない感じがいいと思います。私ものんびりしている方なので、他人の事を考えずに研究出来る事は性に合っていますね。

高校生の皆さん、部活や趣味に熱中して下さい。そしてメリハリをつけて受験勉強をして下さいね。大学は自由なので楽しい事を見つけるも良し、ただし授業は真面目に臨みましょう。

また、受験勉強って本当に大変だと思います。私は色々な事に手を出し、受験勉強も中途半端になってしまったのでそこは後悔しています。集中と選択で、悔いのないチャレンジを頑張ってください。

 

◆参考リンク
数理科学課程Webサイト(平成30年度に新設)

 

【取材日:2017年6月27日】 ※所属・学年は取材当時