大学院経済学研究科には、「経済学」「経営学」2つの専攻(2018年度より)があり、交通アクセスのよいI-siteなんばのサテライト教室で平日夜間及び土曜日に授業を実施、多くの社会人大学院生が学んでいます。

※2017年9月9日(土)には、経済学研究科 説明会&模擬講義&個別相談が行われます。

社会人大学院サテライト教室 説明会&模擬講義&個別相談を開催

それら社会人大学院の講義取材として、7月29日(土)にI-siteなんばで行われた、経営学専攻 上野山・今井合同ゼミの修士論文発表会にお邪魔しました。

この回は現在在籍中の1・2年生および歴代の卒業生、そして上野山ゼミを2017年度に修了された3名の卒業生が集い、2017年度修了生が自身の修士論文を発表し、現在論文作成に取り組む後輩院生の一助とすることを主な狙いとしています。

■指導教官:上野山 達哉 准教授 プロフィール

2015年4月、大阪府立大学に着任。大学院経済学研究科において経営学を研究。

研究テーマは経営管理・組織行動・ワークキャリアなどにあり、ホテル産業のキャリアと人材育成、組合組織における「組織らしさ」、チェーンストアにおける職務のキャリアのデザイン、地域企業における次世代リーダーの育成、自然災害がワークキャリアに与える影響、地域企業ではたらくひとにとっての「天職」などについて、調査研究をおこなう。

■指導教官:今井 希 准教授 プロフィール

2016年4月、大阪府立大学に着任。大学院経済学研究科において経営学を研究。

研究テーマは、経営戦略・経営組織・ビジネスシステムなどにあり、北欧企業のビジネスシステム、中小企業における戦略的意思決定のあり方、経営戦略論において実践論的転回がもたらす意義などについて、調査研究を行う。

<上野山ゼミ2017年度卒業生3名の研究テーマ>

朝賀 洋史 氏  ~人口減少期における大学の長期的経営~

林 秀明 氏   ~経営者における「直感」による意思決定の熟達に関する探索的研究>

藤田 卓 氏   ~企業家行動における計画的偶発性とその帰結に関する探索的研究…泉州地域極薄ガラス製造企業事例をもとに…~

■論文執筆プロセスを知る貴重な機会

卒業生の研究内容の共有はもちろんの事、上野山ゼミ生にとっては「研究を進める」、「修士論文を執筆する」というプロセスやテクニック、心構えを直接学べる貴重な機会でもあります。

上野山先生が「それぞれ骨太のテーマだ」と評する卒業生3名の修士論文。研究対象の経営戦略や経営組織は三者三様の切り口でありながら、そのテーマにいかに論理性・新規性を見出すかは皆さんご苦労されたとの事です。

院生および指導教官の大変さが読み取れる時間であり、「教員と院生、それぞれの2年間」を凝縮して追体験できた時間でもありました。

 

■社会人のための大学院とは

社会人大学院生にとって、時間を捻出して研究に向き合いつつ仕事と学問を両立させる事は容易ではありません。しかし、そのフィードバックにおいて上野山先生は遅い時間や年末年始であっても対応していたというエピソードが卒業生からの発表でも伺えました。

教員1名に対して院生3名という近い距離感は社会人大学院生が研究するにあたりとても重要な事だと思います。

また、このようなレビューや後輩への知識伝達目的とした発表会は非常に特色ある取組みで、個人の能力の向上のみならず、一緒に学んだ仲間としてネットワークを築ける事こそが大阪府立大学社会人大学院の強みとも言えます。

キャリアアップを目指す社会人が、教員との近い距離間と、地理的に通いやすい教室で、それぞれの所属組織や地域経済に貢献する「人財」を育成していくその最前線を垣間見た取材となりました。

【取材日:2017年7月29日】※所属は取材当時