ここ1、2年、さまざまなメディアでその名を目にする「ゲノム編集」。ゲノム編集は遺伝子の狙った部分を高精度で改変する技術。世間の興味関心も高い一方、それが何かについてきちんと知り、理解することが必要です。(特にこれからの時代を担う若い世代であればなおさら)

9/29、中百舌鳥キャンパスに奈良市立一条高校数理科学科1年生41人が来学し、FSPP(フロンティア・サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)サイエンスセミナー2017「ゲノム編集って何だろう」が行なわれました。

生命環境科学域 応用生命科学類の小泉望教授(植物分子育種学)は10年以上に渡り一条高校に出向いて出前講義を行っており、今年の7月にも「ゲノム編集」に関する講義を行っています。

今回は一条高校からの大阪府立大学を見てみたいという希望もあり、生徒の皆さんが来学。小泉教授や山口夕准教授(フードシステム学)、学生・大学院生たちも加わり、学外の専門家からの講演やワークショップを通じて「ゲノム編集」について考えました。

講演では、ゲノム編集研究の第一人者のひとり、京都大学農学部の木下政人助教がゲノム編集の基礎知識や木下助教が取り組む肉厚な真鯛に関する研究を紹介しました。農研機構からも四方研究員が遺伝子組換えとゲノム編集の違いや世界の現状などについて情報提供をおこないました。

その後、京都大学iPS細胞研究所の鈴木研究員を中心にワークショップが行われました。お題は、「ゲノム編集された真鯛を食べるか、食べないか」です。高校生たちはそれぞれ魚の名前が付いた8グループに分かれ、ファシリテーターとして各グループに1人ずつ加わった応用生命科学専攻の学生たちのヘルプもあって、活発な議論を行いました。

それぞれのグループが考えを述べて全体で意見を共有した後、京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センターの佐藤恵子准教授により総括していただきました。

最後は一条高校、犬伏教諭の挨拶で、約2時間半の熱いイベントは幕を閉じました。

【取材日:2017年9月29日】※所属は取材当時