ベルギーでの一枚

ベルギーでの一枚

2017年3月に、文部科学省主催「第6回サイエンス・インカレ」で、最高賞である文部科学大臣表彰を受賞した工学研究科の藤野紗耶さん。

サイエンス・インカレ文部科学大臣賞表彰!藤野紗耶さん(電気電子系学類)

http://michitake.osakafu-u.ac.jp/2017/04/28/saya_fujino/

その副賞として、8月にイタリア・ベルギーへの研修旅行に参加されました。

研修を終えて、今回の研修旅行で何を学んだか、どう感じたかなどについて藤野さんよりレポートを頂きました。

 

【イタリア・ベルギー研修旅行日程】

●8/28~29 ベルギー(ブリュッセル)

ベルギー王立自然公園

ベルギー王立自然公園

1、ベルギー王立自然科学研究

ベルギー科学政策省の管理下にある科学関連施設のひとつ。

今回の視察では、DNA研究室とμCTスキャンの見学を行った。

2、アイメック

ベルギー、ルーヴェン市に本部を置く国際協力機関。リソグラフィ技術や太陽電池技術、有機エレクトロニクス技術など次世代エレクトロニクス技術の開発に取り組んでいる。

 

ヴェネチア

ヴェネチア

●8/30~9/3 イタリア(ビチェンツァ、トレント、ベニス、ミラノ)

3、エペ社

ステンレス・プレスおよび鋳物ポンプの製造販売会社。(荏原ポンプヨーロッパ)

遠心ポンプの設計および製造における世界的リーダーである。

4、トレント大学

トレントは近年「アルプスのシリコンバレー」と呼ばれており、トレント大学が産学連携のハブとなっている。

5、ミラノ工科大学

イタリア最大の大学で、在校生は4万人。授業は英語でも行われており、海外からの留学生も多い。

 

◆見てきた研究機関や施設について

今回の研究機関や大学の視察先には、自分自身の専門分野が殆どありませんでした。出発前、ひょっとすると話を聞いても全く分からず、興味も持てないかもしれない。と、心の何処かで不安を感じていました。

実際には、どの研究機関においても面白い・興味深いと感じることばかりでしたし、自分自身が専門以外の学問分野にも強い興味を持てることも新たな発見でした。また、メンバー全員が専門外の研究を視察する機会もありましたが、皆で英語を理解し、知識を共有しあったことも個人的には楽しかった思い出の一つです。

特に印象に残ったことは、そこで働いている方々がその仕事や研究に誇りを持ち、愛を持って研究に取り組んでいることを全ての研究機関で感じたことです。どの方も、専門分野ではない私たちにとても分かりやすく説明をして下さりました。中でも、最後に訪問したミラノ工科大学での研究者たちは、本当に研究を愛して大切にしているということが、短い時間でも伝わってきました。

エペ社にて

エペ社にて

私も今まで、自分の研究を大切にしてきましたが、今以上に知識を深め、特に専門外の方に話をする時には、今回出会った方々のように愛を持って活き活きと説明ができるようになりたいと思います。

 

また、まだ社会人経験のない私たちにとって、実際の業務を見せて頂けたことも非常に貴重な経験となりました。エペ社では説明を受けながら、ポンプの生産工程で様々なロボットアームが活躍している様子を見学できました。このような工場見学も、機械系専攻でない私たちには貴重な体験でした。

 

◆世界の大学生と関わって

ベルギー王立自然研究所

ベルギー王立自然研究所

大学見学で見させていただいたプレゼンテーションでは、世界有数の大学の学生が積極的に、またグローバルに勉強に向き合っている様子を見ることができました。特に、他分野の学生でチームを組み、ビジネスモデルを考えるというトレント大学のプログラムはとても興味深かったです。日本に比べて、海外の学生の方がより広い視野を持って深く物事を考えられるのはこのような経験があるからだと感じました。

サイエンス・インカレならではの、他分野の学生での研修旅行だったため、視野がとても広がったように感じました。半分以上が初対面であったメンバーとの出会いは私の人生に大きな影響を与えてくれたように思います。日本に居て、自分の専門分野だけを勉強していたら、ものの見方にも偏りが出てくるかもしれません。そういった意味でも、今回の見学は様々な分野を専攻する学生と、様々な分野について学ぶことが出来たため、自分とは異なる視点でのものの見え方も勉強できたのではないかと感じています。そして、より広い視野を持って物事を見つめていきたいと思います。

また、今回の海外研修では、普通の海外旅行では絶対に経験できない研究機関を5つも見学させて頂けました。これは本当に刺激的な機会であり、恐らく私だけではなくメンバーの全員が研究へのモチベーションアップにつながったと思います。

 

◆同行したメンバーについて

ゴンドラより

ゴンドラより

自分や、普段の生活で出会う大学生以上に、海外研修のメンバー達は真剣に自分の研究や将来に向き合っているように感じました。ですので、移動時間には自分たちの将来の話をすることもありました。このような時間も、普段の旅行では経験し得ない初対面のメンバーならではだったためとても刺激的でした。

どのメンバーもとても親切で話しやすい反面、どのようなことにも一所懸命に取り組める方々であり、このような方々と海外研修を通して一週間一緒に過ごせたことは私にとって誇れる経験となりました。

今回のように、初対面の方々と海外旅行をする経験は私の人生において二度と無いと思います。殆ど知らないメンバーとの海外というものを、本当に楽しむことが出来るか少し不安に思っていましたが、視察させて頂いた研究機関の面白さだけでなく、同行者の皆様の素晴らしいお人柄に助けられ、心から楽しんで旅を終えることが出来ました。

 

◆研修を終えて

海外研修を終えて、今後もよりグローバルな視点で物事を見つめ、これまで以上に自分の研究に愛や誇りを持って取り組みたいと心から思いました。この非常に貴重な機会を無駄にしないよう、今後もさらに熱心に勉学に励みたいと思います。

鉄道と共に

鉄道と共に

 

■リンク

工学研究科藤野紗耶さん(保護者のためのオープンキャンパス)

 

【取材日:2017年10月13日】※所属は取材当時