12/25、ものづくりサークル“大阪府立大学学生フォーミュラ参戦プロジェクト”(以下OPUF)さんを取材しました。

今回取材を受けていただいたのは、現代システム科学域環境システム学類1年の山口拓哉さん。

OPUFについての熱い思いを語って頂きました。

 

■府大に学生フォーミュラチームがあるなんて知りませんでした。どのような活動をされているのですか?

OPUFは昨年5年ぶりに復活しました。
マシンの設計と製作、それにかかる費用を集める営業、国際大会への出場が主な活動内容になります。

・マシンの設計と製作

ボディ(骨組み)はもちろん、エンジン周りの部品も製作します。

エンジンをのせればすぐ走るのかというとそうではなく、エンジンに空気を送り込む管や排気ガスを出す管も自分達でパイプを溶接して作ります。府大でエンジン周りの製作を行っている団体はOPUFだけなのでそこはアピールポイントの一つですね。

製作が難しい部品は外部委託もしています。(三星製作所さんなど)そこでは製作現場の方々から見た課題や改善点を教えていたくことができ、設計と製作の両面からもの作りを学ぶことができています。

・営業

マシンを作るのには多くのお金や機材が必要になります。企業や個人の方にスポンサーについてもらうのですが、メールの送り方や、ビジネスマナーなども身につきます。私も営業のメールをよく出すのですが、学生とは思えないメールだとお褒め頂くこともしばしばあります。

また、スポンサー企業様には、活動報告としてプレゼンテーションをする機会があるのですが、その中でエンジニアの方から厳しいご指摘を受けることがあり、プレゼンテーションスキルも身についています。

大学生という立場ながらも、大人の方々と交渉するということはとてもいい経験になっています。

・国際大会の出場

日本からは北海道から九州までさらには海外から参加するチームも含めた世界98ものチームがエントリーし、それぞれ自作のマシンで競います。

競技内容は車検、動的審査、静的審査の大きく3つに分かれており、車検の合格は前提条件として、あとは動的審査(675点)、静的審査(325点)合わせて1000点満点で採点され順位がつきます。

まず車検ですが、車両の安全性や設計要件の適合性、ブレーキ試験や騒音試験など毎年変更されるレギュレーション(規則)に合っているかというところからスタートします。英語で配布されるレギュレーション資料を読んで理解し、その制約の中で工夫してマシンを作り上げる。車検を合格しても点数はつかないのですが、制約のある中でモノを作り上げる能力がつきました。

動的審査は、大会と聞いて多くの人が想像するようなタイムアタック形式の審査です。コースを走る中で、加速やコーナリング、燃費など様々な項目で点数がつけられます。

静的審査はデザインやコスト面だけではなく、製作したマシンにどのような社会的意義があるかというプレゼンテーションも審査の対象となります。

2017年度大会は残念ながら結果を残すことはできませんでしたが、2018年度の大会に向けて設計、製作、営業とチーム一丸となって世界で戦えるチーム・マシン作りを始めています。

・その他活動

学生フォーミュラのスポンサーについてもらっている企業さんが我々にCAD(パソコンで設計図などを書くソフトやシステムのこと)の講習会を開いてくださる時があり、そのような講習会にも参加します。

CADは就職してからも使えるツールでもあり、普段の学類での学びではなかなか触れられない分野なので非常にありがたいですね。CADのほかにも、エンジンや電装、溶接などの部分は企業様と連携して知識と技術を学んでいます。

学生フォーミュラをしている学生が最初からエンジンに詳しかったり、溶接ができたりするわけではありません。初めはみな何もわからない状態から講習会などの機会を通して学んでいきます。

なので、興味はあるが知識がないからやめておこうというのはとてももったいなくて、「学生フォーミュラにはもの作りに関するさまざまなことを勉強できるチャンスがたくさんあるのだ」ということを知ってほしいです!

 

■なぜOPUFに入ろうと思ったのですか?

もともと車が好きで、自動車部かOPUFかで悩んでいました。決め手となったのは、OPUFは0からもの作りができるということ。0から車を作るということは、大人になってもなかなかできることではないと思ったので、このサークルに入ろうと決めました。

大学では新しいことに挑戦しようと考えていたので今までは苦手であった製造分野であったというのも要因の一つです。

 

■OPUFのことはどこで知ったのですか?

詳しくは覚えていないのですが、興味関心に沿って探していたら見つかりました。

昨年復活したばかりのサークルなので大規模な勧誘活動はしていなかったのですが、自分の好きなことができる団体を見つけることができて本当によかったです。

 

■活動での思い出は何が印象に残っていますか?

初めてフォーミュラチームに見学に行った時、ちょうど先輩が鉄を切る作業をしていました。かっこいいなと思い見ていたのですが、気づけば夏には自分も鉄を切っていたことが面白く、私の中の良い思い出になっています。

製作は鉄を熱することが多いので熱くかつ暑く、しんどいことも多いですが一つ一つできることが増えていく感覚は別格です。

 

■最後に受験生に向けて一言お願いします!

現代システム科学域は文理融合の学域なので自分の興味関心に沿った学びを得ることができます。私自身、高校の時は理系でしたがその知識を活かしてキャンパスライフを送ることができています。

部活やサークルの種類も多く、自分の好きなコトができる環境だと思います!

 

〈執筆後記〉
取材では活動場所となっている倉庫も見学させていただいたのですが、マシンと工具で満たされたあの空間には心躍りました。車好き、モータースポーツ好きにはたまらないですね。

OPUFでは、車やモータースポーツ好きはもちろん。車には興味がなくてもモノづくりや営業(外の社会との関わり)に興味があるという理由の入部もOKだそうです。

文理、学年を問わず入部できるそうなので、OPUFに少しでも興味が出た方は連絡してみてはいかがでしょうか?
また2018年度大会に向けての個人スポンサー、企業スポンサー様も募集しているそうなので、彼らの活動を応援したいという方は一度WEBサイトをご覧ください。

 

◆リンク

ツイッター(@OPU_Formula)

 

【取材日:2017年12月25日】
【取材:現代システム科学域マネジメント学類 右大輝】※所属は取材当時。