12/18、学術交流会館にて、異分野融合研究会主催の交流会が開かれました。

異分野融合研究会は、大阪府立大学の学生や教員の方々が自分の研究分野とは異なる分野で活躍する研究者の方々と交流し、自分の専門以外にも視野を広げるための場を提供する目的で活動しています。

2017年度からメンバーを新たに、数年ぶりに異分野融合交流会を開催するという形で、再び始動しました。今回の交流会は、ポスターセッション、OBによる招待講演、懇親会の3部構成となっています。

発表者はもちろん、参加者もさまざまな分野の学生が集まり、名前のとおり異分野交流がいたるところでなされていました。

 

●ポスターセッション

異分野交流の肝となるポスターセッション。
工学研究科、生命環境科学研究科、人間社会システム科学研究科などから学生、教員合わせて18名の研究者が自身の研究についてポスターで発表しました。中には大阪市立大学からの参加者もいます。研究テーマは18人ともばらばらで、多種多様な分野に渡っています。

18人を3つの班に分け各班1時間、計3時間じっくりと意見を交換しました。

発表を聞きにきた参加者には学生だけでなく企業から見学にこられた方もいらっしゃいました。ポスターに対して鋭い質問が飛びかっており、会場は熱気に包まれました。

●招待講演
招待講演には企業の中で異分野融合を進めている大阪府立大学のOB2名が登壇しました。

◆企業における博士研究者の位置づけ―ドクターのやりがい― クミアイ化学工業株式会社 小川真弘氏(生命環境科学研究科 OB)

小川様は栄養化学を専門に学位を取得されています。現在、勤められている企業の中では内分泌かく乱(生体内であたかもホルモンのように作用する物質)を持たない農薬をつくるという目標をたて研究されています。
内分泌かく乱を持たない農薬を作るという発想には、栄養化学だけでたどり着くことはできず、栄養化学と別分野の毒性学の異分野融合により生まれた考え方でした。

小川様の講演のあとには博士課程を卒業したものに対する期待に応える方法についての質問も飛び出しました。

Q.博士号をもって入るとイノベーションを起こしてくれるだろうという期待が大きかったのではないですか?
A.私はもともとできるだけ自分の手ですべての物事を進めていきたい人間でした。しかし、会社では時間の制限があるので、別の分野の方々とディスカッションして他人とうまく協力して目標にスピーディーに且つコストをかけず進める必要があります。

ただ、博士人材には課題解決力の力が備わっていると感じます。これは修士卒の学生にはない力です。博士号を取得するためには日々、研究を前に問題点を探しそれを解決するというルーティーンをこなさなければなりません。その力があるのは博士人材の魅力だと私は思いますし、企業でもそれが求められます。

 

◆異分野融合活動~デンソー編~ 福島匡泰(ただひろ)氏(工学研究科OB)

福島様からは、企業で異分野融合を進める方法についてお話いただきました。

福島様曰く「異分野融合の仕事ができる自由な環境は自分で作るもの」であるとのこと。
ポイントは2つで、「異分野融合の種を探し続けること」「見つけた種を発信し続けること」。
自分が持つ時間のうち、8割を本業の仕事に当て、残りの2割を使って異分野の講演やセミナーに参加し議論する。そこで見つけた異分野融合の種を提案し続けているとおのずと社内で認められ、自分の研究したい分野の許可と資金が出るということです。

イノベーションには失敗がつき物。あのスティーブジョブズですらたくさんの失敗作を世に出しています。失敗を恐れずチャレンジすることが大切だということを伝えていただきました。

 

●懇親会―懇親会こそイノベーションが起こる??-

4時間に渡る交流会の最後は、懇親会。参加者同士の仲も深まります。

たとえ、この場で異分野融合によりイノベーションが起こらずとも、今回の参加者は異分野融合の可能性と大切さを感じることができた交流会になっていたようです。

いつかこの交流会に参加した人々がイノベーションを起こす日がくることを願ってやみません。

 

〈右:松下さん 左:大安さん〉

〈交流会を終えて 代表 松下裕司さん〉

数年ぶりに異分野融合研究会の活動である異分野融合交流会を開催しました。開催の目的は「異分野の研究の交流を通したイノベーションの創出」もさることながら、「分野の枠を超えた研究者同士の交流」です。

私自身、大学院修士1年次より、リーディング大学院に所属し、様々な分野の研究者と交流してきました。その中で最も価値あるものだと感じるのは、交流を通した人脈だと思っています。様々なケースがあるとは思いますが、1度だけの異分野との交流を通して共同研究等を開始するというのは、めったに無いのかなと思っています。

このイベントで知り合えた方と今後も継続して交流していただき、異分野融合を通した新たな研究の創出や、課題解決の糸口の発見などが生まれることを願っています。

 

【取材日:2017年12月18日】
【取材:現代システム科学域マネジメント学類 右大輝】※所属は取材当時