2017年11月からアメリカ航空宇宙局 (NASA)ジェット推進研究所 (JPL)での研究インターンに参加された佐々木さんから研究インターンレポートが届きました!

宇宙に関心のある人ならば一度は夢見るNASAでのインターン。
そんな夢を叶えた佐々木さんのレポートは多くの方の参考になるのではないでしょうか!ぜひご一読ください。

◆プロフィール(Profile)

氏名 佐々木 貴広
所属 工学研究科航空宇宙海洋系専攻航空宇宙工学分野
学年 博士後期課程3年
インターン先 アメリカ航空宇宙局 ジェット推進研究所

 


こんにちは、航空宇宙工学分野博士後期課程3年の佐々木貴広です。

2017年11月末より、アメリカ航空宇宙局 (NASA)ジェット推進研究所 (JPL)での研究インターンが始まり、火星ローバーのプロジェクトに参加しています。

 

NASA/JPLとは

JPLとは、カリフォルニア州のパサデナに位置する宇宙探査のための人工衛星やロボットなどの研究開発を行うNASAの研究所です。最近では、木星探査衛星JUNOや土星探査衛星Cassiniなどの打ち上げ・運用、また2012年に火星に着陸した火星探査ローバーCuriosityでも注目を集めました。

NASA/JPLでのインターンが決まるまで

米国スタンフォード大学やコロラド大学での1年間の留学も含め、大学院では人工衛星の制御に関する研究を行ってきました。具体的に、人工衛星の太陽パネルを太陽の方向に向けるための姿勢制御や大型の太陽パネルの振動を抑制するための振動制御、そして目的の軌道を維持するような軌道制御と多岐に渡って人工衛星の研究を行い、小型宇宙機システム研究センター (SSSRC)では人工衛星の設計開発や運用も行ってきました。

また、京都大学や宇宙航空研究開発機構 (JAXA)で特別研究員として、これまでの人工衛星の研究からさらに裾野を広げ、宇宙ロボットの知能化や制御に関する研究にも従事しました。それらの経験が評価され、JPLでは宇宙ロボットに関するプロジェクトでの採用となりました。

Copyright NASA / JPL

NASA/JPLでの研究について

今回のインターンでは、火星を走るロボットの知能化に関する研究を行っています。火星では、地球と異なりGPSを用いることができないため、自分の位置を把握するのが容易ではありません。また、どのようなルートを通れば目的地に安全にたどり着くことができるか、カメラの画像をどのように用いれば賢く動くことができるのかということも課題となってきます。インターンでは、これまでの経験や時にはその場で必要な知識を取り入れつつ、課題に取り組んでいます。

 

最後に

火星探査が盛り上がっている真っ只中に、世界最先端の研究所で研究する機会をいただけたことに感謝しつつ、しっかりと成果を上げ、プロジェクトに貢献し、恩返ししたいです。また、ここでの経験を今後の研究生活に活かし、今後ますますおもしろくなっていくであろう宇宙探査に、研究者として貢献していきたいです。


 

【寄稿:佐々木貴広 工学研究科 博士後期課程3年】
【寄稿日:2017年12月3日】※所属・学年は寄稿当時