2/23 The Single Mother Initiative(以下SMI)さんにお時間を頂き、代表である中村友哉さんにお話を伺いました。
「やりたいと思うことがやれる!」そんな街を作りたいという中村さん。
SMIにかける思いを生き生きと語っていただきました!
◆プロフィール
中村友哉(なかむらともや)
理学系研究科 物理科学専攻 博士前期課程2年
●どんな活動をしているのか、教えてください!
まず、SMIはメンバーも多種多様で地域保健や現シス、工学などの学域から大学1年生~大学院2年生まで様々なメンバーが集まっています。かなり幅広い!!
SMIでは、「豊かな人生を目指すシングルマザーの夢実現サポーター」というミッションを掲げており、ミッションの達成のために2つのプロジェクトを進めています。
まず1つ目が「プロジェクトすーみんすたーと」(以下、【すたーと】)というもので、交流会や親子向けの休日イベントの企画・実施をしています。
そして2つ目が「プロジェクトすーみんねくすと」(以下、【ねくすと】)というもので、こちらでは、お母さん対象の学習支援の実施に向けて取り組んでいます。
このようなプロジェクトを通じて、シングルマザーの「なりたい姿」の実現を応援するのが、SMIです。
1.交渉(スタート)
【すたーと】で行っている休日交流イベントでは、ヒアリング、保育園やこども園・社会福祉協議会や母子寡婦福祉会、市役所などに広報活動の協力の依頼や交渉をまずは行います。
いわゆる営業活動です。
実際、【すたーと】ではこういった活動が要となっています。12月の交流イベントでは、3週間という短い期間で29件の保育園・こども園、市と交渉した結果、担当者の方や園長先生が積極的に協力してくださり、結果的に活動が進展していきました。大人と交渉するので大変ですが、ユニークな経験を積めますし、上手く行ったときはとてもHAPPYな気持ちになれます!
(追記:3月実施のイベントは市と交渉した結果、市の後援を得ることができました。)
2.広報・SNS(スタート)
次に、宣伝物作成やSNSの記事作成です。僕が友好祭の広報部長を務めていたこともあり、今はほとんど僕が担当しています。
一方、SNSではメンバーが頑張ってくれています。こちらは、我々の企画イベントやお母さんを対象とした府内の様々な休日交流イベントの情報、ひとり親向けの支援情報をわかりやすく配信しています。大体週1ペースで更新し、少しでも多くの情報を当事者に届けたいという思いで行っています。
3.企画(スタート)
そして、企画考案ですね。イベントを通じて「子どもとどうやって遊ぼうか」、「どんなイベントならお母さんがHappyになれるか」、そして「会場の雰囲気づくりはどうしようか」などの視点を大切にして企画を練っています。これらは、メンバー同士で「あーでもない、こーでもない」って、議論して作っています。
色々言ったけど、これが一番楽しい活動内容かな(笑)。
企画が終わった後というのは、かなり達成感が味わえます。これは保証できますね。
〇学習支援(ねくすと)
もう一つのプロジェクトがお母さん向けの学習支援【ねくすと】なのですが、こちらは、頭と体をフル回転して取り組む、SMIらしさあふれるプロジェクトですね。
ここでは僕がFledge(大阪府立大学EDGEプログラム)や、Japan Business Model Competition (JBMC)で学んだ、リーンスタートアップという考えをもとにして事業を創っていきます。
僕自身も未熟ですし、こちらは始まったばかりですが、当事者のためになる企画作りを着実に進めていきます。「企画をしたい!!」って方には、学年問わず最適なフィールドかもしれません。【ねくすと】では、「これから団体を創っていく」という他では味わえない経験ができますね。
●中村さんはなぜSMIを立ち上げようと思ったのですか?
これを文章で皆さんに伝えるのは至難の業なので、ぜひ気になる方は4月からの説明会に来てほしいです!(笑)
できる限り言葉で説明すると、僕は「ひとり親の貧困」や「ギャップ」に関する課題認識と、海外の活動の刺激がきっかけとなり、SMIを立ち上げました。
実は大学4年生の時に、座学とボランティアの両面から、日本の社会の理解を深めるためにボランティアや福祉系の専門科目を修了しました。その結果「ひとり親の貧困」に対してかなりの衝撃を受けました。その中でも、特に学習支援にかかわったことが、1つのきっかけです。
その学習支援ボランティアで色々な事情でしんどい家庭の、中学生を対象に勉強を教えていたのですが、その中にすごく大人びている子たちがいたんです。「家のことを考えたら、僕はどうせ大学なんていけないよ。」なんてぼそっとこぼしていた子もいました。そういう子どもの中には、ひとり親世帯の子どももいました。
まだ中学生の子が大学進学を諦めている。
一方、自分中学時代を思い返すと、友達や僕自身はそんなこと考えたことなくて、(大学に行くのは当たり前)としか考えていなかったし、(なりたいものには何でもなれる!)とも思っていました。こんな自分の中学時代と教え子とのギャップを目の前にして(このギャップ気持ち悪くね)と感じたんです。
この『ギャップに対する不快感』を強く感じたことが原点です。
ただ、そう思う人はいっぱいいる。しかし、具体的な活動をしようと考える人はなかなかいないです。そのときは僕自身もそうでした。
そんな僕を突き動かしたものは、カンボジアとアメリカで得た「ロールモデル」でした。
カンボジアには現地のNGOで1か月間ボランティアとして活動しました。
村に住み込んで英語教育をするというもので、そこで一緒に活動していた現地の大学生たちがとてもかっこよかったんです。
「ビジネスでカンボジアの将来を変えていくんだ!」という夢を持っていて、政治やビジネスの勉強をしている人。他には「自社のアパレルを作り上げて商品を作る!」という夢を持った人。
そういった人たちが多くて、互いに夢を語り合っている。自分の将来やりたいことをしっかり持っていて、それに向かって努力していました。
一方、アメリカでは50日間サンフランシスコのソーシャルベンチャーでインターンをしていました。
そこで出会った人は、働きながら大学で国際教育を学んでいる人とか、小学校のころからボランティア活動をしているCEOとか、みんなが積極的に動いている人たちばかりでした。
このような『ロールモデル』を見て、僕もそういう生き方をしたいと思いました。
そして、(じゃあ、自分ならどう生きたいか。)って考えたときの答えが、「やりたいことにいつでもチャレンジできる街を創ること」だったんですね。
そんな街ができたら絶対面白いし、そんな社会に僕は住みたい!
でも、学習支援の経験や大学の授業等を通じて、今の社会、特にひとり親家庭はそうではないという認識をもっていました。したがって、まず自分の課題意識のあるひとり親家庭から支援しようと思いました。
このような経緯があり、SMIは立ち上がりました。
●この団体のアピールポイントは?
アピールポイントは、他の団体ではなかなか経験できないことが経験できる点ですかね。
例えば、先の見えないことに挑戦するということ。
これは新しい団体で、かつ前例の少ないことに挑戦しているからこそ、得られるものはかなり大きいと思います。
あとは、将来にも役立てることのできるくらい、企画の能力や交渉の力がつくといえることもアピールポイントですね。
「The Single Mother Initi..なんとか」ってなんかすごく固い団体に見えてしまうかもしれないです(笑)。でも、このサークルの雰囲気は、しっかりやるときはやるけど、緩いときもあります。
熱く議論して、終わったらわいわいおしゃべりしながらお菓子食べたり、「ごはん行こー」とかの声が上がったりする感じで楽しくやっています。
●新しいメンバーは募集していますか?
はい、大歓迎です!
0から企画を作りたい人、シングルマザー、学習支援に興味のある人にはもってこいの場所といえます。
これだけ言ってしまいましたが、関わり方は人それぞれです。
バイトやサークル、実習・研究などで忙しいときはそっちを優先してもかまいません。
時間がなくて軽くしか関われない人~しっかり活動したい人まで、様々な人に興味を持ってほしいですね。これからこのサークルを創っていく、そういうメンバーを求めています!
少し先のことに目を向けると、一味ちがった大学生生活になると思います。
1~2年後に自分が何をしていたいかを考えて、今どうしたらいいのかということをしっかりと考えた方が将来の選択肢が増える。そうなったとき大学生活はとても楽しいし、府大に入って良かったと思えますよ!
興味がある人は4月からの新歓や説明会にぜひ来てくださいね(笑)
■リンク
SMI公式ホームページ
【取材日:2018年2月23日】
【取材:崎山琴音(MICHITAKERs/現代システム科学域 知識情報学類 1年)】※所属は取材当時