2/16に、I-siteなんばにある「まちライブラリー@大阪府立大学」でアカデミックカフェが開催されました。カタリストは大阪府立大学 大学院 看護学研究科の佐保美奈子准教授。

テーマは“もっとまじめに性~自分と相手を大切にする「おとな」のための性教育~”。助産師として誕生の現場に関わった先生の経験から、大人のための性について考えます。  「もっと席を近づけて、皆さんで大人のトークをしましょう」という佐保先生のご提案で、自由なディスカッション形式。まるで子どもの頃、大人に隠れてひそひそ話を行うかのような雰囲気でスタートしました。


参加者は産婦人科の看護師や精神カウンセラー、元教諭など普段から性問題に関心のある方が多く、立場や経験を踏まえた活発な意見交換が行われました。

高校までの性教育は性感染症、エイズ予防、望まない妊娠予防など、性に否定的な内容が強調され、大学や社会に出てからはきちんとした性教育を受けることはありません。

今回、特に話題の中心だったのがアダルトビデオ。若い頃に触れたアダルトビデオの激しいセックス描写を正解だと思い込み、相手への思いやりの欠ける一方通行的なセックスを経験することにより、セックスレスや恋愛離れ、二次元恋愛につながり、生涯未婚率が高くなっています。これらの現状を踏まえて、参加者からはそれぞれの立場からの発言が相次ぎました。(下記抜粋して紹介)

◆「相手に気持ちを表現するためには、穏やかな時も激しい時もある。自分の気持ちや相手の反応によって違うし、どの形が正解かは正直わかりません。愛し方はいろんな形があると思うけど、本能だけではなく、気持ちの部分。(セックスは)『あなたが大切な人だ』と伝えるためのツールだと思います」

◆「女性は物理的な刺激だけを求めているのではなく、相手がいるからこそ得るものがある。夫婦で手をつないだり、仲良くしたりする姿を子どもに見せるのは大事」

 

セックスの本質はスキンシップ。言葉、まなざし、互いの体温、呼吸、鼓動を感じること。相手の温もりや優しさ、思いやり、一体感、安心感…それを若い人たちにもわかってもらえて、みんなが幸せになれれば…と先生の言葉は熱を帯びます。

助産師として幸福な出産から、レイプや赤ちゃんの流産などセックスの幸せな面と悲惨な面の両方を見てきました。だから学生たちには幸せな恋愛、結婚、出産に進んで欲しい。そのためには、恋愛もセックスも出産も育児も全ていいものだと伝えたいという使命感があり、高校生への出張講義や「性教育かるた(※)」など教材教育研究にも余念がありません。
海外では0歳から性教育が始まっています。肌に触れるとか、相手との距離感を考える、などということを母親と一緒に行うそうです。

「小さい頃から抱かれるって気持ちいいなとか、お母さんと一緒にいたら安心ねという基本的な信頼感は大事にすべきだと思うし、思春期になったらパートナーシップも含まれて来て、お互いに出産のベストタイミングの事も話し合わないといけない。20歳代後半が出産のベストの時期なのでそういう事も教えてあげる。年齢に応じて考えるべきことがたくさんあります。そういう意味では『人生まるごと性教育』なんだなと思います」。

性の考察は、歴史や文化、倫理観、パートナーの受け止め方で違ってきますし、育ってきた環境、そして男性と女性の価値観の違いもそうだと言えます。参加者の性別も世代も超越して、性への想いが交錯した今回のアカデミックカフェはとても濃密な夜でした。あなたはどうお考えになりますか?

※性教育かるた…教える方も聴く方も恥ずかしい性教育のイメージを変えたいと佐保先生が考案した「お付き合い」のマナーかるた。ストレートな表現に思わず赤面しそうです。

<先生おすすめの本> 
『セックス・センス~「挿入しない」という快楽』(ブックマン社)/マーティ・クレイン(著)、宗美玄(監修)
『超愛 性器なんて使わない』(三五館)/山田鷹夫(著)

【取材日:2018年2月16日】※所属は取材当時。