調理中の様子

栄養療法学専攻(総合リハビリテーション学類)の実習授業、「応用栄養学実習」を取材しました。

この授業は3年次の学生が受講するもので、人間のライフステージに応じた適切な栄養管理や栄養介入を管理栄養士として行なえるよう、必要な知識を身に付け、また自分たちで各ライフステージに合わせた献立を立てることを学びます。

今回想定されたライフステージは成人・妊娠期・幼児・高齢者の4つ。それぞれに必要な栄養価が異なるのはもちろん、幼児と大人の味付けの違い、高齢者に対しては硬さなど、考慮する点は数多くあります。それらに適した献立を立てるのはもちろん、実際に調理する事で実食と献立へのフィードバックまでを経験します。


取材したこの日は実際に調理を行なう日。
学生たちは、これまで話し合って作成した献立と、その栄養価や調理法等を書き込んだ工程表、そして食材を手元に置き、授業はスタートします。

栄養療法学専攻は1学年定員が30名。
30名1クラスで、講義も演習もずっと一緒に受けてきましたので、仲の良さもチームワークもばっちりです。とはいえ限られた調理時間ですので、楽しみつつも緊迫した雰囲気の中「私はこっちを調理するから、そっちはよろしくね。」という声が飛び交います。

専攻の特性上、自宅でも良く料理をする学生たちですが、目分量で作る自分用の料理とは違い、グラム数もしっかり定めています。そこはきちんと時間をかけ、慎重に調理を進めます。

器選びの様子

また、器選びも調理全体に影響する大切なポイントです。実習室の棚にある無数の食器の中から、献立に合うものを選ぶのも実習のひとつ。

汁が混ざらないことや、食する人が目で楽しめるように盛り付けられるようなお皿を選んでいきます。

調理が終わった班から、別室のテーブルに料理をセッティングします。全ての班が調理を終えるのを待つ間、早めに調理を終えた学生に、いろいろと話を聞いてみました。

Qなぜ大阪府立大学の栄養療法学専攻を受験したのですか?

―高校時代から料理に興味があったので専門学校も考えていましたが、調理師よりも栄養管理全体に関わる立場である管理栄養士の方が自分自身の可能性が広がると思い、府大を受験しました。将来は病院か行政で管理栄養士として働きたいと考えています。

Q栄養療法学専攻で学んでいて、難しい事は何ですか?

―調理の勉強だけではなく、細菌について学んだり、給食経営管理の方法を学んだりと、入る前は思ってもいなかった分野の勉強もあり、身に付けるべき知識の広さや難しさを感じます。

 


 

全班が調理・セッティングを終えた後は、それぞれで見合いながら各班の発表に移ります。

完成した料理の写真豚キムチを幼児でも食べやすい醤油炒めに変更した班、

同じ食材でも「煮る」「炒める」「和える」と調理法を変えて触感が似通らないように気をつけた班、

高齢者用に炒りゴマを擦りゴマにして、口に残りにくくした班など、班ごとの工夫が光ります。

また、実際に調理までしてみた上での反省点として「ビタミンの摂取量を考慮してキウイを入れたが,幼児期の子には食べ切れる量ではなかった。」「栄養バランスを考えミルクココアを献立に入れたが、和のメニューにはあまり合わないかも。」など、具体的な声もありました。

栄養価の「数字」に気を取られ過ぎると、「料理としてのバランス」を取る事も時として難しくなる事を体感したようです。

実食の様子

発表を終えた後はみなで実食。そして食べた感想も踏まえてレポートにします。

自分達で考えた献立を実際に作ってみて量・味・バランスはどうだったのか。

改善しないといけない点があるとすれば何を改善するか。

味付けが濃かったら塩を何グラム減らすかなど、細かい考察が求められます。

ブラッシュアップし完璧にしたメニューを再度提出し、授業は終了となりました。
そのような実際に作ってみて完成させたメニューを1つ1つ身に付けていくことで、学生たちは一歩一歩、管理栄養士に近づいていくのでしょう。

また、野菜を星型に切って幼児が楽しめるようにしたり、煎りゴマをケシの実に変えて鉄分を補ったり。管理栄養士は、料理とともに「思いやる温かさ」も届けることのできる素晴らしい職業だと再認識しました。

この授業の様子は動画でも見ることができます。こちらもぜひご覧ください。

【取材日:2017年11月21日】