山根講師の写真7/12の公開講座「関西経済論ⅩⅩⅣ」は、本学の前身校の一つ大阪女子大学の卒業生で、株式会社サンポール代表取締役社長をされている山根以久子さんに登壇していただきました。

府大旗ポールと山根さんの写真株式会社サンポールは、校旗などを掲揚する旗ポール、車止めなどを製造販売している会社です。中百舌鳥門を入って右側にある3本の旗ポールも同社の製品です。

山根さんは女子大を卒業されてすぐにご結婚、その後は専業主婦をされていて社会人経験がまったく無い状態で、2006年にいきなり代表取締役社長に就任されました。講演では、突然始まった「社長」と言う“立場”において深く考えられた人生感、会社経営の中で大切にされていることなどを「生きる」と題しお話しくださいました。

なぜ突然社長に就任することになったのか。2002年に当時社長であったお父様が急逝され、その後に何名かが社長に就任したもののうまくいかず、白羽の矢が立ったのが前社長の娘で同社筆頭株主でもある山根さんでした。当初は周囲の方から座っていれば良いからと言われていたもののそんな訳にもいかず、試行錯誤の毎日。つらい心境にあった山根さんを救ってくれたのは、「現場にいる社員の温かい助け」でした。

ホール全体の様子そんな社員と触れ合う中で「創業者一族としての責任の意識」がしっかりと芽生えていきました。そして、それまでの人生では「謙虚であること」が大事だと考えてきたが、それは無責任につながる可能性があることに気づき、何事からも逃げることができない社長と言う“立場”に目覚め、“覚悟”を決められました。そうすると「社員が幸せになれるのなら社長としての私も頑張れる」との考えに至り、これがその後の山根さんを支える考え方になったとのことです。

講演では“本心”で話をすることの大切さについても触れられました。“立場”“覚悟”“本心”で経営を始めると事業も順調に展開、現在の売上げは社長就任時の1.3倍とのことです。ただ、山根さんとしてはこれに満足せず、次は「本物の社長」になることを目指しておられるとのことです。

最後のスライド「Let's smile!」の写真また「男性と女性は考え方が根本的に違うけれども、お互いの大事にするものを尊重しあうことが大切。女性も自分のあり方を見直し、自分の持って生まれた能力をすべて使ってほしい。また子育ても立派なキャリアのひとつ。」との、女性社長ならではのお話もされました。そして、常日頃社員に呼びかけておられる“Let’s Smile”と大きく記したスライドで講演は終わりました。

大阪女子大時代はオーケストラ部に所属、合同練習のため頻繁に中百舌鳥キャンパスにも来られたとのことです。講演終了後は、そんな懐かしい中百舌鳥キャンパスを同社の製品を探しながら散策、学生時代の思い出に浸っておられました。

【取材日:2018年7月12日】