dely菅原さんインタビュー、写真dely株式会社
菅原早希子さん
地域保健学域総合リハビリテーション学類栄養療法学専攻 2014年3月卒業
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今回、東京都品川区にあるdely株式会社で活躍されている、総合リハビリテーション学部栄養療法学科を卒業された菅原早希子さんにインタビューをしてきました。dely株式会社は、レシピ動画サービス「クラシル」を運営する企業です。真新しい会議室で、現在、栄養療法学専攻4年生の在学生中津由香さんと学生時代の菅原さんを良く知る栄養療法学専攻の矢澤彩香准教授らも同席され、インタビューが行われました。

delyインタビュー風景、写真(栄養療法学専攻4年生中津由香さん)
■現在、ご担当されている・携わられている仕事の内容について教えてください。

「クラシル」でレシピ動画を作っています。実際に料理もしますが管理栄養士の資格をフルに活用しています。料理は体験的に覚えている方が多いので、それらを机の上で考え直したり、論文を調べたり食品衛生法に沿った視点で料理を見直しながら、安心して作ることができるレシピ動画をたくさんのユーザーの方々に発信しています。

■一般の方が食品衛生学の観点から、比較的注意が必要なところは、どのようなところですか。

食に関わる話には、俗説的なものが多くあります。例えば、アサリをぬるま湯で塩抜きすると早く出来るなどの根拠のないもの。干し椎茸を砂糖水で戻すと早く戻るという浸透圧の影響による根拠のあるもの。このような事をちゃんと伝えるようにしています。ユーザーさんからの疑問のコメントも調べて実験をして、「クラシル」というアプリを信頼して使ってくださるユーザーさんに対して、責任をもってお答えするようにしています。あと、アプリ上で栄養素を表示するシステム作りも行っています。学校で習った事を活用していますよ。

■dely株式会社に入社され、感じたこと驚いたことがあれば教えてください。

学生のときは、ベンチャー企業の存在を認識していなかったので、まず社長が26歳、会社の平均年齢は27歳という企業の存在に驚きました。それに前職の病院には3年間勤めていたのですが、その頃との裁量権の多さ、違いにも驚いています。自分が決断した事で起こる影響力を実感して責任感がとても増しました。この会社は全社員との距離が近いですし、会社自体が目立つ存在なので、自ずと来る案件も大きいものが多いので背筋が伸びる毎日です。

delyインタビュー風景、写真■病院での経験が活かされていると感じることがあれば教えてください

大学時代から料理の発信の仕事をしたいという気持ちがありました。そんなときに矢澤先生に管理栄養士として一生やって行くのであれば、病院で働くというのは10年後20年後を考えたときに必ずプラスになると言われて病院に就職したのですが、すでにとても役に立っています。発注や献立作成などを実践的に行うので普段の料理も数字に置き換えて考える事が出来ています。これは1日何百食と作っていた病院での経験から出来る事だと思っています。患者さんからのフィードバックも自分を高める事が出来ましたし、検査で結果が分かるので自分が実行してきたことが正解なのかを確認できた事も良い経験だったと思っています。

■病院は年齢層が広いのでコミュニケーション力のスキルが付くのでは、と想像しているのですが。

もちろん付くと思いますよ。特に患者さんとのやり取りでは、何を伝えたいのかを考えながらコミュニケーションを取っていたので、今ではユーザーさんとのコミュニケーションにおいて、こういう事が言いたいのであろうと想像する事が出来ていますから。

■日々のお仕事の中で大切にされていることがあれば教えてください。

ユーザーファーストですね。まずは自分視点にならないように心がけています。職務上、理論と実践のバランスを大切にしています。病院と違って家庭がベースの献立なので実際に作ってみて理論を証明する事を大切にしています。あとは、曖昧な事を言わないようにしています。白か黒かはっきりしてから伝えることを心がけています。料理人さんを束ねる役割にあるので、それぞれアイデンティティーの違う料理人さんの長所を活かしつつ「クラシル」としての料理を打ち出す事でバリエーションを広げてユーザーさんの満足度を上げて、料理人さん達の培ってきた事も活かす事が出来るようにしたいと思っています。

delyインタビュー風景、写真■在学中はどのような学生でしたか。

料理を発信する仕事がしたいと、やりたい事は決まっていました。
ただ、入学する学部を間違ったんです。心理学を学んだ上で色々な人の気持ちを聞いて料理に反映できる管理栄養士になりたいと高校生のときに思っていました。そのために臨床心理士の資格を取ろうと思っていたのですが、社会福祉学部に入学してしまい1年間勉強を続けました。それでもやはり管理栄養士になろうと思い、総合リハビリテーション学部に転学したんです。
学生時代は、学校から提供してくれた機会を使って出したIZUMIYAのお弁当コンテストでの優秀賞をきっかけに色々挑戦しました。中でも日本テレビの「レシピの女王」は全国放送されたので非常に反響がありました。問合せもあったし就職にも優位に働いたと思います。なにより、休学中だったのですが大学から感謝状をもらいました。

■大学の講義で実践的であったと思う授業は何ですか。

調理実習ですね。実習のレジュメは今でもiPadに入れて見返すぐらい、かなりためになっています。基本を網羅されているから、疑問に思った時に立返ると解決できる事が多いです。

■学生時代にやり残したこと、やるべきだったと思うことはありますか。

1年休学しているので、人より1年多く在籍しましたが、やり残したことは無いかな。やり切った気がします。教職だけ取りきっておけば良かったかな。

■東京オリンピックに向けて、個人的にまた会社で始動してるプログラムなどはありますか。

社を挙げてイベントなどできればいいなと思います。

■ライフワークバランスをどのように意識して過ごされていますか。

やりたいことが仕事になっているので、やりすぎないように気を付けています。いくらでも出来る環境なので自分でセーブしてバランスを取っている状態です。

delyインタビュー風景、写真■時代の流れが速い中、今は動画配信ですが次の展開は何か考えておられますか。

料理自体はずっと昔からあるものなので、美味しい物を毎日作るということは変わらないと思っていて、そこを軸にして色々物事を考えて新しいものを取入れて行くという姿勢を大切にしようと思っています。

■女性も活躍できる社会はどのような社会だと思いますか。

IT業界なので社会の情報は沢山入ってきます。社会的には認知されてきていると思うので、今後は互いを否定しあわない事が大切になるとだろうと個人的には思っています。

■病院はどちらの病院だったのですが。

地元が滋賀県なので滋賀の病院でした。職場はとても良い環境だったので、どうするか非常に迷いましたが上京するのであれば20代でしておきたいという思いもあって転職を決断しました。ただ環境が違うので気持ちが沈む事もありますが、そんな時は人が多いので自分の考えに合う人や前向きな人の話を聞くようにしています。この会社は想いを結果につなげている人が多いので、結果を出せば筋が通るということを東京に来てから感じる事が多くなりました。

■今まで会わなかったような人たちと仕事していてどうですか。

やるぞといったら、何があってもやる人が多いです。否定されてもそれをバネにしてしまうみたいなことは、間近で見ると迫力がありますね。

■病院に管理栄養士として就職したら、目上の人へ指示をする機会があると思うのですが何か気をつけてこられた事はありますか。

まず聞くことです。相手の言いたい事をよく聞いてから話をするようにしていましたね。目的と解決策を互いに理解できれば大丈夫だと思います。

delyインタビュー風景、写真(地域保健学域 総合リハビリテーション学類 栄養療法学専攻 矢澤彩香准教授)
とても柔らかくなりましたね。トゲトゲしていたという意味ではなく、在学中は、自分のやりたいことがはっきりしていたこともあって、目標に向かって頑張る強さの方が前面に出ていた印象もありましたが、今はそのときの強さはそのままに、もともと持っていた柔らかさも同じように前面にでていて、本当に魅力的な人になられたなと思います。

(広報課 林田 雄三)
転学や転職などはすごくエネルギーのいる事だと思いますが。決断はどのようにされてきたのですか。

振り返ってみれば、紆余曲折ありながらも、自分が思い描いていた道をたどっているのかもしれません。紆余曲折ありましたが、周りの人に恵まれていた事もありますし、社会の動きにスッと入れたのも学生時代から準備していた事と準備できる環境を整えてもらっていた大学のおかげだと思っています。決断はなるべく広く人の話を聞くようにしていました。自分の考えを話せる人に出会える事は中々ないのですが大学では矢澤先生によく相談に乗って頂きました。よく話を聞き、それをもう一度自分の中でまとめて決断してきました。

最後に、本学在学生(後輩)にメッセージをお願いします。

大学の教育環境はすごく整っているので、与えてもらえた機会をしっかり活かして吸収していけば、必ず良い方向に進むと思います。皆さんにも、大学在籍中に夢を見つけて、意義深い学生生活を過ごしてもらえたら嬉しく思います。今日はみなさん暑い中ありがとうございました。delyインタビュー風景、写真
【取材日:2018年6月28日】※所属・学年は取材当時