本学は、大学独自の給付型奨学金制度として新たに「グローバルリーダー育成奨学金制度」を設立し、学生9名をグローバル特待生(Honor Student with World-wide View) に選びました。
この奨学金制度は、特待生の海外留学を資金面でサポートするだけでなく、グローバルリーダーとして必要な能力・国際的な感覚を伸ばすとして育成セミナーを実施するとともに、国際交流の様々な場面に主体的に参加し、リーダーシップを発揮し、他の学生のロールモデルとしての活躍が期待されています。 今回、新たなグローバル奨学金制度ができたことで、本学のグローバル化に対応した学生育成システムはさらに充実したものになります。
グローバルリーダー育成プログラムが始まるにあたって、特待生2人をインタビューしました。羽曳野キャンパスで学んでいる福田 望琴(ふくだ みこと)さん(地域保健学域 総合リハビリテーション学類2年)、中国人留学生の張 政(ちょう せい)さん(現代システム科学域 環境システム学類2年)です。そして大学独自のグローバルリーダー育成奨学金制度の設立に尽力され、 また特待生の相談役の1人である大塚 耕司 教授(副学生センター長)に、新しい奨学金制度が生まれた背景や特待生への期待を聞きました。その一問一答を紹介します。
今回は特待生に選ばれた福田 望琴さんにお話を伺いました。
大阪府立大学に入学したときからグローバルリーダー育成奨学金制度ができると聞いていましたので、募集開始をわくわくした気持ちで待っていました。私は、以前から外国にずっと興味があったので、いつか海外留学に行きたいと思っていました。友人も応援してくれました。
――外国に関心が高まったきっかけは。
中学・高校から英語の勉強が好きだったので、世界中でいろんな人と出会い、英語を使ってコミュニケーションをとることができれば楽しいのではないかと。府大に入学して1年目の今年春、カンボジアへ短期留学しました。その経験で海外に対する関心がさらに高まったところに、正式に募集があったので、エントリーしました。
――キャンパス内でも外国の方と交流する機会がありましたか。
先日、アメリカからの短期留学生と自由なスタイルの課外活動を通して交流をしました。通天閣を見学したり新世界名物の串カツを食べたりしました。そのうちの一人と仲良くなり、宗教、歴史、人権、死刑制度など、日本とアメリカとの違いや特徴などディープなテーマを話しました。それで痛感したのは、自分がいかに何も考えていないことでした。日本のことを説明しようとしても英語の言葉が出てこないのです。相手の留学生はアメリカのことをどんどん話してくるのに。例えば、私が奨学金制度に応募したことや、カンボジアに短期留学した経験を話すと、ただ「すごいね」で終わるのではなく、何で行ったのか、どういう目的があったのかとどんどん聞かれ、圧倒されてしまいました。
また、1年生の前期に一般教養の授業で学んだ「同性愛」の問題を話すと、「アメリカでは性の問題は自由だけれど、いろいろな差別があるのだ」と教えてくれました。その留学生は社会問題への問題意識が強く、すごく真面目に考えて生きているんだなと。私も日本の文化や歴史、国際的な課題を勉強し、グローバルな視点を身に付けなければいけないと強く感じました。
――福田さんの将来の夢はなんですか。
将来、医療系の仕事をしたいと思っていたので、大阪府立大学の地域保健学域・総合リハビリテーション学類に入学しました。作業療法学を学び、作業療法士の国家資格取得をめざしています。
――この夏休みにはどのような計画がありますか。
6週間の海外プログラムに応募します。アイセック(AIESEC※)という海外インターンシップを運営している団体のプログラムに参加します。国連の掲げる持続可能な開発目標SDGs※をベースにした活動を展開しています。教育や平和など17の国際貢献プログラムがあり、世界のあちこちに受け入れ支部があります。私は、今回はグローバルボランティアのプロジェクトに参加します。
2つあります。1つは女性のエンパワメント、女性の地位向上に関わるものと、観光をもっと盛り上げようというプロジェクトが合体したプログラムです。もう1つはネパールで初等教育に関わる活動です。
――専門の勉学とグローバルリーダー活動など、両立は大変ですが、改めて将来の夢は。
卒業後は医療系の職業に就き、世界と関わる活動をしたいと考えています。例えば、国境なき医師団や、JICA(ジャイカ、国際協力機構)には医療系職種の募集があるので、在学中に、経験を積んだうえで、仕事として就くことができたらと考えています。
※AIESEC(アイセック):世界126の国と地域に委員会を持つ世界最大規模の学生NPO法人。主な活動内容としては海外インターンシップ運営を行っている。
※SDGs:世界から貧困や飢餓をなくし、すべての人に教育や福祉、健康を保障しようと世界中で2030年までに達成したい、17の持続可能な開発目標のこと。アイセックではこのSDGsをベースにした、海外インターンシップを設計・実施している。
▼「2018年度グローバルリーダー育成奨学金制度」認定証書授与式を挙行
http://www.osakafu-u.ac.jp/news/nws20180627/
▼グローバル特待生 張 政さんインタビュー
https://cms.omu.ac.jp/michitake2/2018/08/28/global_cho/
▼大塚 耕司 副学生センター長インタビュー
http://michitake.osakafu-u.ac.jp/2018/08/29/global_otsuka/
【取材日:2018年6月26日】※所属・学年は取材当時