お話をする真嶋先生 写真
7/27(金)、I-siteなんばにある「まちライブラリー@大阪府立大学」でアカデミックカフェが開催されました。カタリストは人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻の真嶋由貴惠教授。テーマは「未来のヘルスケアを創造しよう ―テクノロジーを味方に―」です。

医療技術の進歩は目覚ましく、日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳と、年々更新を続けています。

少しでも健康で長生きするために、医療はどうあるべきでしょうか? そのために先進技術(テクノロジー)をどの活用していけばいいのでしょうか?

また、諸課題の解決のためには官民データ利活用の推進を図ることが急務とされています。個人の健康データを蓄積し、データ利活用・相互連携を促進した先に見えるものは何なのでしょうか?そういったことを考える約2時間となりました。

アカデミックカフェの様子の写真例にあがったのは「健康」分野。AI(人工知能)などを活用することで、個人の日常生活や身体に合わせた健康法などのアドバイスが期待できます。また、「介護」分野では個人に応じた重度化予防、AI・ロボットなどを活用した支援、ニーズにあった介護施設の発見・入所のサポートなど。「医療」分野では、遠隔技術の活用やAIなどの支援、エビデンスに基づく効率・効果的な治療・投薬が可能となります。

これらを実現するにはオンライン化を原則とし、業務の見直しをふまえたシステム改革、オープンデータの促進、データ利活用のルール整備、データ連携のためのプラットフォーム整備といった施策が必須といえます。

次の話題はヘルスケアテクノロジーの具体例について。身近な例としては、ツイッターを利用した「ツイートフル」。“インフルエンザ”という文字が含まれるツイートを数えることで、インフルエンザの流行を予測する検知システムで、医療機関からの報告よりも早く流行の始まりを知ることができます。

アカデミックカフェの様子 写真
また、AIを応用した医療例。「リアルタイム内視鏡診断サポートシステム」は、臓器内の病源を発見するシステムで見逃し回避が期待されています。非常に精度が高く、視認より時間が早いのがメリットです。歩数・速度・移動距離、カロリー消費量、体重移動などを測定できる圧力センサー搭載のソックス「Sensario Fitness」は、高齢者の歩き方、麻痺のある方の歩行練習に応用できると考えられています。

ロボット工学における医療への貢献例としては、足腰の弱い人に、微弱な電位を察知して歩行補助をする「ロボットスーツ」や、遠く離れた患者さんへの手術をVRによる遠隔操作で行う「VRバーチャル手術」、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」、精神的なセラピー効果を目的とした「メンタルコミットロボット」などが紹介されました。

お話をする真嶋先生 写真
最後に、ヘルスケアテクノロジーの今後について真嶋先生は「テクノロジーが得意な役割と、人間が得意な役割、それぞれ上手に分担して合わせる事が大切。テクノロジーの進化に伴い、どのような形で人間の役割を残すのか、皆さんで考えていければと思います」。と講話を締めくくりました。

今回の真嶋先生のお話は、ヘルスケアテクノロジーの近未来の予想図。想像するだけでもワクワクするものばかりでした。皆さんはどんなヘルスケアテクノロジーがあれば嬉しいですか?

<ワークショップ「あったらいいな!こんな未来のヘルスケアシステム」>
講話後にはワークショップを実施。参加者の皆さんが2人1組に分かれ、普段から気になっている医療・健康の問題点について話し合い、テクノロジーによって解決できそうなものを1つ発表しました。

(発表順)
●グループA「食事の写真を送信すると栄養状態を分析するシステム」

●グループB「医療費、介護費の削減・最適化を図るアプリ(システム)」

●グループC「原因不明の病気に関する患者データを集積・共有し、将来の治療に活用できるシステム」

●グループD「トイレの便座に取り付けたセンサーで日常の健康管理を行い、アドバイスをしてくれるシステム/病気になったときの疑似体験ができるVR」

集合写真
【取材日:2018年7月27日】※所属は取材当時