本学は、大学独自の給付型奨学金制度として新たに「グローバルリーダー育成奨学金制度」を設立し、学生9名をグローバル特待生(Honor Student with World-wide View) 1期生に選びました。

この奨学金制度は、特待生の海外留学を資金面でサポートするだけでなく、グローバルリーダーとして必要な能力・国際的な感覚を伸ばすとして育成セミナーを実施するとともに、国際交流の様々な場面に主体的に参加し、リーダーシップを発揮し、他の学生のロールモデルとしての活躍が期待されています。 今回、新たなグローバル奨学金制度ができたことで、本学のグローバル化に対応した学生育成システムはさらに充実したものになります。

▼「2018年度グローバルリーダー育成奨学金制度」認定証書授与式を挙行
http://www.osakafu-u.ac.jp/news/nws20180627/

今回はグローバル特待生1期生に選ばれた9人に特待生認定後の活動や、活動を通して得た経験などをレポートしていただきました。この記事では中田 潤さんのレポートをご紹介します。

▼プロフィール
中田 潤さん
地域保健学域 教育福祉学類 2年
出身高校:近畿大学付属高等学校(大阪府)

ーGL特待生の期間中、どんな活動をしましたか?

志望動機に明記した学生FDの活動に励みました。課程相談会やレポートの書き方講座等複数のイベントを開催し、5月の開催に向けて論文検索講座を加えた新たなレポート講座の企画を進めています。企画を充実させるため毎週行われるミーティングに参加しました。ミーティングでは職員と学生が協働し、企画の目的、会場設定や当日の時間配分、参加者のニーズを含めた具体的なプランを出し合い検討しました。このミーティングは自分を大きく成長させてくれました。

大きな成長とは、広い視野や多角的な視点、問題解決能力が形成されたことです。FDスタッフとの意見交換により多様な見解にふれることで、様々な観点から事象にアプローチし、事実をより正確に見極めることが可能になりました。この事実把握は解決策を見出すスキルの学習につながり、より俯瞰的に物事を捉えるようになり、問題解決のために必要な状況把握力が身に付きました。イベント後にアンケートを取り、学生FDのメンバーで共有し次回の企画に活かしたことも、私自身の成長につながりました。

学生FDレポート企画の様子 写真

学生FDレポート企画

2018年はこれらの活動により、人として大きく成長させてもらいました。得られた多様な視点と考え方、問題解決能力は、すべて自身の学域での学業に直結します。この貴重な活動経験は、今後のグローバルリーダー特待生でのチーム活動に役立つと信じています。

ー本奨学金の応募資格の一つには、“TOEIC L&Rスコア700点以上など高い語学レベル”とあります。語学の良い勉強方法を教えて下さい。(TOEIC対策など)

グローバルコミュニケーションを実現するために、語学力は不可欠です。自身も英語による「聴く、読む、話す、書く」の4技能を可能な限り活用して、東南アジア諸国の方々と交流しています。

読む、書くの技能はFacebookで用います。フィリピンやタイ、インドネシアの人たちと大阪府立大学での投稿をシェアし英文で交流しています。「大阪府立大学大学学長室から」には東南アジアからの学生訪問や留学生の情報があります。大阪府立大学が東南アジアの大学と強い交流をもっていることを英語で紹介します。そのため毎日英語で文章を書きます。

聴く、話すはLINE通話で使用します。マレーシアに中華系マレーシア人の友人がいるので英語で会話します。その友人は大学生で、お互いに授業のことを中心に話します。友人はイギリス英語を話すのでアメリカ英語の自分と、語いや表現がときどき異なることが大変興味深く勉強になります。

4技能をさらに向上させるため、TOEIC学習を継続しています。TOEICのスコアアップの秘訣は、可能な限り多く受験することです。テスト本番では練習で得られない緊張感や環境を体験できます。これは長時間にわたり高い集中力を必要とするTOEIC試験で大変重要な要素です。

また毎月の試験によって目標が明確になります。スコア目標があると計画的で意欲的な学習につながります。さらにスコア結果には、abilities measured(測定した能力、以降「アビメ」)が示されています。このアビメは能力別正答率を記しているので次回の対策ができます。問題解決能力の高い本学の学生が受験すれば、テストごとにどんどん点数が上がるでしょう。後援会が提供する特典も用い、公開試験と本学IPテストを多く受験してください。

ー特待生になって良かったことは?

仲間であるグローバル特待生8人に出会えたことです。特待生は異なる学域と学類から構成され、非常に優秀で個性あふれる学生です。全員、自主性、創造性、柔軟性が大変豊かで行動力と実行力を備えています。グローバルな視点と強いリーダーシップを兼ね備えるメンバーと出会えたことが私の財産です。優秀な特待生と同期になれたことを誇りに思います。

2018年11月、「Intercultural Communication Program」研修がありました。「異文化遭遇コミュニュケーション」を学ぶためのグループワークです。3人ずつ2つの国に分かれて外交交渉します。一方の国の宝物を巡り、激しい議論が展開されます。お互いに相手国の要求を傾聴しつつ、自国の主張を明確かつ論理的に意見を述べます。窮地に陥る場面もありましたが、広い視野と柔軟な考えを駆使し問題解決に至りました。

特待生たちのグローバルコミュニケーション能力の高さに刺激を受けるとともに、能力の高い仲間とチームになることで、一人一人の力が高められることを実感しました。特待生との協働により豊かな国際性を学ぶことができました。

2019年も、この優秀な仲間と研修や広報活動で協働できることを楽しみにしております。

ー今後GL特待生をめざす後輩へのメッセージは?

このGL育成制度は、自身の能力を大きく成長させてくれます。育成セミナーではグローバルな視点とコミュニケーション・スキルを含めた国際性豊かな人材育成の機会を与えてくれます。それによりリーダーシップを発揮し周囲の学生を引っぱっていく、学生のロールモデルへと成長させてくれる大変有意義な制度です。

現在検討中の1回生は迷わず説明会に参加し、ぜひ応募してください。未来の優秀なグローバルリーダーになる人材が1回生に必ず存在していると信じています。われわれ1期生は、2019年2期生と一緒に活動できることを心より待ち望んでいます。

1期生授与式での記念撮影

1期生授与式

【寄稿日:2019年1月9日】
【寄稿:中田潤(地域保健学域 教育福祉学類 2年)】※所属・学年は取材当時