西さんの写真

今回は本学漕艇部OBで、現在実業団で活躍している西 知希さんにお話を伺いました。

*プロフィール
西 知希 にし かずき
2014年 工学域 物質化学系学類  入学
2018年 工学域 物質化学系学類  マテリアル工学課程 卒業
2018年 東日本電信電話株式会社  入社

―大学ではどのような学問をされていましたか?
大学では、工学域の物質化学系学類に入学し、1回生の時は化学系の知識を無機系から有機系まで幅広く学びました。2回生からは工学域物質化学系学類マテリアル工学課程に進み、主に材料系の化学について専攻しました。4年生からは卒業研究としてNi-Fe合金について研究をしました。より高強度・高延性・高Fe濃度におけるパーマロイの作製を目指していました。

―ボートを始めたきっかけ、大学で漕艇部を選んだ理由は?
私自身大学に入学するまで小中高ずっとサッカーをやっていたので「ボート」というスポーツがあることさえも知りませんでした。ボートとの出会いは、新歓でのボート部の試乗会でした。ボート試乗、先輩方との話、部員同士の仲の良さなどからボート部の雰囲気の良さに惹かれていきました。そのため、毎週ボート部の新歓に行っていました。私自身、サッカー部とボート部で迷っていましたが「ボートやってみるのもありかな」と、本当に単純な気持ちでボート部を選択しました。

 

大学追い出しレガッタの写真

大学での追い出しレガッタの写真

―漕艇部での活動はどのようなものでしたか? 学業との両立はどうしましたか?
学業との両立で意識したことは、しっかり予定を立てて効率よく時間を使うことでした。ボート部の練習はテスト期間だからという理由で少なくなることはなかったため、いかに少しずつでも事前にやっておくことが大切でした。
具体的には、一週間の初めにその週にやることを、学部の課題やボート部の練習などすべて紙に書き出して、空きコマや放課後などに組み込んだ予定を作成して日々過ごしていました。大学院試験の免除もいただきました。そういう意味では、しっかりと両立が実現できていたと思います。

一番印象に残っているのは、4年生で出場した全日本選手権でした。私自身大学院への進学が決まっていた中で、4年間の集大成として一人乗り(シングルスカル)で出場しました。結果は6位でした。この大会で学んだことが2つありました。

国体東京都予選の写真

国体東京都予選の写真

1つは、自分が本当に多くの人から期待してもらって応援してくれていることを実感できたことです。多くの激励のメッセージをはじめ、レース中の声援も多く聞こえて本当にうれしかったのを覚えています。大会後も大学の友達、ボート部の先輩後輩、関西の他大学のボート部の監督、選手から称賛の言葉を多くいただいて、ボートをやってきて良かったなと思えた瞬間でした。

2つめは、CHANCEは常に転がっているということです。私自身、卒業後はボートの実業団への就職を希望していました。しかし、それは叶うことはなく大学院へ進学することになりました。進学が決まっていたなかで出場したこの大会で驚くべきことが起こりました。大会が終了した翌日、ボートの実業団からお誘いの電話がかかってきました。本当にこんなことがあるのかと、とても驚くと同時にうれしかったです。たいへん悩みましたが、大学院への進学を取りやめ実業団でボートをすることを選びました。
このように漕艇部での活動は、本当に新鮮で面白かったです。

関西秋季学生選手権 シングルスカル優勝時の写真

関西秋季学生選手権 シングルスカル優勝時の写真

―現在はどのようなお仕事をされていますか?お仕事内容を教えてください。
現在は、総務部の労務厚生部門というところで労務担当として働いています。仕事の内容は、労使間の様々な施策等をより円滑に解決・実行していくことです。会社の支援も大きく、ボートを漕ぐことにとても集中できる環境で、ボートも仕事としてどちらにも力を注ぐことができています。

―大学で学んだことで社会人になって役立っていることがあれば、お聞かせください。
大学の時に感じていましたが、社会人になってボートをやっていく中で応援してくれている周りの人への感謝が、本当に大切なことであるなと改めて実感できました。

―漕艇部の後輩と現在でも交流はありますか?
後輩との交流は現在もあります。普段からベストを更新した等のという良い知らせから、「どうしたらいいですか?悩んでいます」といったことまで多くの質問、報告をしてくれています。試合などではボートについて話したり、ご飯に行ったりして自分が新たな環境で学んだことなどを伝えています。
母校のボートの発展はうれしいものなのでこれからも自分にできることがあれば是非なんでも貢献していきたいと思っています。私自身、後輩に多くの刺激をもらって頑張ることができています。

オックスフォード盾レガッタ優勝時の写真

オックスフォード盾レガッタ優勝時の写真

―今後の目標や夢をお聞かせください。
今、この実業団のチームは全日本選手権大会でエイト三連覇しており今年は4連覇を目指しています。チームには日本代表選手も多数いて毎日の練習が本当に充実しています。
まずは、このチームでエイト(漕手8人と舵手1人が乗るスウィープ艇)のストローク(船尾付近)に乗ってチームを引っ張っていけるくらい強くなることです。そのようにこの日本一のチームで切磋琢磨することで最大の目標であるオリンピックへの出場も実現できると信じています。

―現在、進路を考えている受験生にアドバイスをお願いします。
私は大学四年間を通して、「人生何があるかわからない」を本当に体現できたと思っています。ボートも知らなかった自分が4年後にはボートで就職し日本一を、そしてオリンピックを目指すことができています。
本当に人生にはいろいろな可能性にあふれているので是非様々なことに挑んでいってほしいと思います。そして、たくさんのCHANCEをつかんでいってほしいです。

▼関連記事
諦めず努力すれば、必ず成長する/漕艇部OB 駒井宏昭さん

【寄稿日:2019年1月6日】※所属は寄稿当時