3/14(木)、I-siteなんばにある「まちライブラリー@大阪府立大学」でアカデミックカフェが開催されました。カタリストは、人間社会システム科学研究科の杉村延広教授。テーマは「ますます広がる乗り物の魅力」です。

乗り物とひとことで言っても、まさに千差万別。一般的な自動車、電車、船などはもちろんのこと、人力車、犬ぞりも乗り物です。乗り物は人や荷物をより速く、大量に運ぶために発明され、陸・海・空、そして今では宇宙へ行くための乗り物も利用されています。

今回のアカデミックカフェでは、このような乗り物の魅力を、先生と参加者の皆さんが自由に語り合いました。会場には多くの乗り物好きが集結。自己紹介の時間では、乗り物に関する本、好きな乗り物について熱弁をふるう余りに制限時間をオーバーする方がちらほら…。

まずは杉村先生がなぜ乗り物に興味を持ったのか。子どもの頃から乗り物に乗って移動するのが好きだったという先生。電車、バスに乗れば一番前の席に陣取り、自宅が空港に近いことからよく見学にも行っていました。そんな興味がこうじて、大学では機械工学を専攻。愛蔵書を片手に、先生が乗り物で最も好きな自動車について楽しく学んでいたそうです。

 

中盤からは先生が聞き役に徹し、参加者の皆さんの“乗り物にまつわる体験”をヒアリング。高校の時にアルバイトして購入したバイクを1年で盗まれたという男性のバイク愛。夜行バスに乗車して一人旅をするのが好きな女性。学生時代に航空部でグライダーの操縦訓練を行っていた男性。皆さんまるで昨日の出来事だったかのように、はっきりとした描写で楽しそうにお話する姿は、本当に乗り物が好きなんだなと実感させられました。

興味深かったのは、熱気球に乗ったことがあるという女性。遮るものは何もなく360度見渡せる爽快感、生身の身体で空を飛ぶという体験談に、他の方々から質問が次々と寄せられていました。

 

お話の後半は、先生の専門分野から。ユニークだったのは“自動車と牛肉と洋服、100gに換算すると、最も安いのはどれ?”という質問。自動車の重量が1000kg、価格が120万円とすると100gでなんと120円。“高価な牛肉、洋服に比べると自動車は安い!”という発想ですが、普及している世の中の工業製品は、100gが100~120円という価格帯なのだそうです。この値段で作れるのは、技術者の汗と涙のおかげだそうです。

最後に先生は、「ものづくりの基盤になるロボットや生産設備類は世界の中で日本が技術的に最も進んでいます。燃料電池、電気自動車、自動運転など技術がたゆまず進歩する中で、日本が持つ“正確にものを作る技術”は、今後も伝えていくべきだと思います」と締めくくりました。

今回のアカデミックカフェは、杉村先生のお話はもちろん、参加者の皆さんが乗り物にまつわる知識、思い出を持ち寄ってでき上がった空間だと感じました。輸送するだけが仕事ではないと再認識させてくれた乗り物の世界。参加者の男性の「飛行機は、当時は夢に近いような乗り物でしたよ」という言葉が印象的でした。

夢が現実へと近づきつつある、宇宙旅行のできる時代もすぐそこまで来ています。

 

 

<先生のおすすめ本>
『運転イッキ乗り』(二玄社/下野康史 著)
https://www.nigensha.co.jp/auto/bk_info.html?1502&INF=980

『ブロックバンク傑作集』(二玄社/小林彰太郎 翻訳)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001286945-00

『世界の自動車21 ロールス・ロイス―戦前』(二玄社/小林彰太郎 編著)
https://sumally.com/p/227106

 

【取材日:2019年3月14日】※所属は取材当時