テレビ高知で理系女子アナウンサーとして活躍している、府大卒業生の木岡 真理奈さん。
いつもインタビューする側のアナウンサーに、現代システム科学域に在学中の高田 妃菜さんが逆インタビューしてきました!

木岡さん写真

■木岡 真理奈さん プロフィール

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奈良県 帝塚山高等学校 卒業後、大阪府立大学 工学域 物質化学系学類へ入学。

在学中に「ミスあべのコンテスト2015」のファイナリスト、「ユニバーシティ関西ミス・コンテスト2016」のグランプリ、2016年の第65回今宮戎神社 福娘などに選ばれる。

府大卒業後は株式会社テレビ高知 報道制作局に入社。アナウンサーとして活躍中。

2016年に続き、2019年の府大ホームカミングデーでも司会者として登場予定!

特技は、幼稚園から始めたクラッシク・バレエ。NHKと民法がタッグを組み、テレビに親しんでもらおうと行っている「12468キャンペーン」のコマーシャルでも元気なダンスを披露してます!(高知県以外でもWebサイトで視聴可能)

――どうして府大を受験しようと思ったのですか?

理系志望で地元、関西で大学を探していました。特に化学系もしっかり学べる大学ということで、「府大が強い」と聞き、受験しました。

その時はアナウンサーになるとは夢にも思いませんでした。高校生の時から、理系志望だったのですが、人生何があるかわからないものですね。こういう人生も「アリ」ですよ!

――どのような学生生活を送っていましたか?

入学前は勉強ばかりする生活だろうと思っていたのですが、入学してみると、意外とやりたいことがポンポンと出てきました。やりたいことを一つずつ消化しつつ、将来の進路も考えつつ、専門の勉強もしっかり学びつつという学生生活が送れたと思っています。

幼稚園の時から習っていたクラシック・バレエは就職活動が始まるまで続けていましたし、研究でのプレゼンテーションや、人前で話をすることが後々役に立つだろうと塾でのアルバイトもしていました。

それと、母のすすめもあって、福娘をさせていただきました。選ばれるまで2回ほど落選しましたが、地元のことや文化をより知ることができた楽しい体験でした。

――4年間の府大生活で印象に残っていることを教えてください。

食品添加物の研究をしていたのですが、腸内細菌を調べるという過程で、毎日飼っているネズミの糞を採って調べるという研究をしていたことですね。なかなか地道な作業でありながらインパクトのある研究で、大学生活においては、強烈に印象に残っています。

――府大出身でよかったなと思ったことはなんですか?

全国的に知名度が高いわけではないと思いますが、コンパクトな分、先生との距離が近かったり、少人数という意味で、同じ学域の友人たちとも深く交流できたと思っています。

あと中百舌鳥キャンパスの過ごしやすいホワッとした空気感も好きでした。

――アナウンサーをめざしたきっかけを教えてください。

研究に追われる毎日の中で、将来の仕事とするのに、何が自分に良いのかを考える機会がありました。

研究も楽しかったのですが、あえて違う方向性もあるのではないかと思うようになって、もう少し視野を広げてみようとしている時に、「毎日違う」「現場でも違う」「時代でも違う」という出来事に携わることのできる仕事がしたいと思うようになりました。そこで考え、行動していく中でアナウンサーという仕事に興味を持ち、めざすようになりました。

――就職活動をする中で大変だったことはなんですか?

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「理系だからこそ」が、あったと思うのですが就職活動時期の3年生は研究レポートで忙しく、4年生で研究室に配属されてからも、わからないなりに全力で研究に取り組まないといけません。そこに同時進行での就職活動だったので、今考えてみても大変でしたね。

始めは、研究と就職活動との両立のバランスを壊しかけた時もありましたが、就職活動をしていく中で「学生時代どのように過ごしましたか?」と聞かれることが多く、自分が今、取り組んでいる研究というものが、学生の勉強で最も大事なことだと就職活動を通して改めて気づくことができました。本来の勉学もしっかりやりつつ就職活動も行うということが、自分の中で重要なことになったことで、乗り切ることができました。

 

――今はどんなお仕事をされていますか?

記者の活動とアナウンサーの活動をしています。“取材に行って、原稿を書いて、夕方の番組にアナウンサーとして出演して、視聴者へ伝える”というのが一日の流れですね。

その間にイベントの司会やステージのMCという仕事も入ってきます。取材は、横に長い高知を西から東までカメラマンと走り回っています。自分で車を運転して、リポートして、構成して、原稿を書いています。今は少し減りましたが映像の編集もしていましたね。

自分が取材に行くことでスタジオでしゃべるネタも増えるので、取材の現場では原稿に書かない内容も、なるべく多くを聴いて、世間話もしつつ話を聴くことを常に心掛けています。

高知は特に関西人には、馴染みやすい風土があると思います。暖かく迎えてくれる高知の人達にも助けられています。

―― 一番印象に残っているお仕事はなんですか?

今、記者として教育と医療を担当しています。

医療というのは記者のジャンルとしては、無かったのですが、入社してすぐに高知大学の医学部でがん治療の新しい取り組みが始まるということを取材しました。

取材をしてみると、今までメディアに取り上げられていたがん治療とは、全く違うアプローチをしているがん治療なので、ますます面白くなりました。

その取材の中で大学での勉強がとても役に立っていると思う機会がたくさんあります。

理系としての基礎知識であったり、考え方であったり、研究の面から医療を見ることができたりと……。理系同士で会話が通じることも楽しいのかもしれません。

今も取材を続けているのですが、これが一番印象に残っている仕事です。

――テレビ局で働いているからこそ感じている、やりがいや面白さはありますか?

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人口70万人ほどの県のテレビ局となると、人口が少ない分、テレビの存在が大きいなと感じています。取材に出た時に「あの時の取材は楽しそうだったね」とか「あれって、どういうことなの?」などと話しかけられることが多々あります。

アナウンサーとして伝える側とインタビュアーとして取材する側の両方ともできるので、視聴者の方の反応を直接知ることができるこの仕事は面白いなと思います。

ローカル局だからこそできることもたくさんあって、私達が発案したこともすぐに取材に行けますし、取材をしたこともすぐに伝えることができます。取材される側との敷居も低いので、地域の方々とつながっていけることも楽しいですね。

――辛い時、くじけそうになった時、どうやって乗り越えたり、気持ちを切り替えたりしていますか?

アナウンサーは記者やカメラマン、ディレクターなど、いろいろな人達が作った作品の最終走者と言われているのですが、そのとおりの責任が大きいでポジションなので、大きなダメージを受けることがあります。そんな時は、思いっきり泣いて忘れます。

私達が扱っているニュースというのは毎日、毎日、日を追うごとに変わっていくものなので、職業として引きずってはいられません。切り替えが大事で、落ち込む時はガツンと落ち込んで、次の日には引きずらないように心掛けています。

あとは、美味しいご飯がありますから!

――これからやってみたい、挑戦してみたいお仕事はありますか?

他県の取り組みとか、高知とリンクするものもあるので、もっと違う視野から今いる高知を見つめてみたいと思っています。

あとは、がん治療の話題などは、これからもいろんな発見や進展があることなので、いつかは全国で放送できる話題を取材できたらなと思っています。

――大学生の間にやっておくべきことがあれば教えてください。

今やっている勉強は、大学時代でしかできないことなので、今しっかり突き詰めて自分が消化不良にならないようにしてから卒業した方が良いと思います。そうすることで今後にもいかせます。

私がしておけば良かったと思うことは自分の分野以外の勉強です。今、ニュースでいろいろな時事の問題にふれるときに、大学という様々な専門の先生がおられる環境で、もっと違う分野のことを知ることができていたらと思うことがあります。専門的なことをしておられる先生方のお話を聞く機会は大切にして欲しいと思います。

――これから社会に羽ばたく府大生にエールをお願いします!

府大は、ほんとにアットホームな空間なので、のびのびと勉強して、のびのびとした状態で社会に羽ばたいて、自由な発想でいろいろな事に挑戦する社会人になって欲しいです。また、それをめざして勉強もしっかり励んで欲しいと思います。

――府大を受験しようとする受験生にメッセージをお願いします!

どの学域に入っても、その先に進む将来の道は自由です。これから受験する人達には今やりたいと思っていることができる学域、学類を選んで欲しいです。

特に府大は学域、学類による方向性の違いがしっかりあるので、やりたいことに合わせて選んで、一度入ってみて、勉強してみてくらいの考え方で大学を受けて、その後は考え方が変わっても、変わらなくても大学を自分の人生のひとつのステップとして楽しんで受けてもらえたらなと思います。

 

◆取材を終えて(高田)

今回、府大OGで現在はテレビ高知でアナウンサーとして活躍されている木岡真理奈さんにインタビューさせていただきました。

一見離れているように見える理系としての学生時代と、現在のお仕事アナウンサー。

しかし、「大学で取り組んでいたことが思いがけない形で活かされているから、いま取り組んでいることとしっかり向き合いながら、就職活動に励むことが大切だと思う」というお話が印象的でした。

自ら取材へ行き、原稿を書き、アナウンサーとして伝える。緊張感と責任と隣り合わせながらも、イキイキとお仕事をされている姿にとても魅力を感じました。

 

【関連リンク】

【取材日:2019年9月9日】
【取材:現代システム科学域 マネジメント学類 3年 高田 妃菜、広報課 藤井 郁子】 ※所属は取材当時。