■プロフィール 2007年 大阪府立大阪女子大学 理学部 応用数学科 卒業 2009年 大阪府立大学 大学院 現 数理科学専攻 博士前期課程 修了 |
私は現在、数学教員として和歌山県の高校で勤務しています。勤務する高校が違えば、生徒たちの雰囲気も違い、多種多様です。しかし私は何処へ行っても、生涯学び続ける姿勢を持って欲しいという思いを持ち、日々教壇に立っています。
現在の学校には、大学進学の学部・学科に迷う生徒が多くいます。これを読まれている高校生もそうかもしれません。その中で、「就職がいい」、「将来役に立つ」ことを重視する生徒もいます。また、純粋学問の道に行くことでその点から外れるため迷いがあるとの相談を受けたこともありました。そこで私は、進路指導の視点として、「好きを究めることを大切に」と伝えることにしています。実利を考えず、好きな学問を究めることで得られる教養は、後の人生を豊かにしてくれます。周りにいる人もそうですし、私自身もそう感じているからです。
私は元々、そろばんを習っていたこともあり、数が好きでした。中学・高校も数学が1番好きでした。また、母の影響で教師になりたいと思っていたので、進学は、教育学か理学の2択で、迷わず理学に決めました。好きな数学を専門的に学びたかったからです。
大学に入ってからの数学には、高校までとは全く違う世界が広がっていました。代数学、解析学、統計学、符号理論とどれも魅力的でした。特に代数学の加藤先生の授業が大好きで、ガロア理論を読み進めたときには深い感動を覚えました。加藤 希理子 先生の研究室で学ばせてもらおうと決め、修士課程でも代数学を専攻しました。研究室の友人と文献を読んだり、定理の証明を考えたりする毎日は、時間が過ぎるのがあっという間でした。
教員という職業は、毎日が勉強になります。数学はもちろんのこと、生徒との関わりの中で、考え学ぶことが多くあります。大学院で研究した数学からは離れていますが、数学を学んだことで得られたものは、教育現場での様々な場面で大いに生きていると実感しています。そして、生徒と共に学び続け、成長することができるこの職業に大きな喜びと誇りを持っています。
これからも、生徒の成長を全力でサポートできるように、私は学び続けます。
【寄稿:2019年6月11日】※所属は寄稿当時。