話し合いをする川本さん

■プロフィール
2009年 大阪府立大学 理学部 分子科学科 卒業
2014年 大阪府立大学大学院 理学系研究科 分子科学専攻 博士後期課程 修了

川本拓治さん

私は大阪府立大学と大阪女子大学との合併により設立された理学部の第1期生として2005年に分子科学科に入学しました。卒業後は理学系研究科 分子科学専攻 博士前期課程(修士課程)、さらに博士後期課程へと進学し、2014年3月に博士号を取得しました。そして、アメリカの大学にて博士研究員として約1年過ごし、現在は山口大学 工学部 応用化学科の教員として日々教育・研究に取り組んでいます。

私は学生時代、有機化学の研究特に元素の特性を活かした新しい反応の開発に従事していました。研究には苦労がつきものですが、誰もやったことのない反応を自分の手で見つけた時の感動があるからこそ現在も継続して研究に取り組めています。

壇上で話す川本拓治さん

現在は大学教員で学生を指導する立場にありますが、決して優等生ではありませんでした。卒業単位をギリギリのところでおさえ、修士課程に進学したのはいいものの将来については漠然としか考えていませんでした。しかし、博士前期課程1年の秋に転機が訪れました。それは、カナダでの研究留学でした。そこで、研究の楽しさを再認識しました。異国の地において研究を遂行することができたことは、分子科学科の先生からの熱心かつ丁寧な指導をしていただいた賜物であると感じています。また、同時に危機感も感じました。日本では大学院生のうち大半が修士(博士前期)課程で就職していきます。一方で外国ではほとんどが博士(後期)課程に進学します。そこで、博士課程に進学することを決意しました。

大学生はいろんなことにチャレンジすることも、自分の好きなことに情熱をかけることも可能です。大切なのは視野を広く持って、自分で納得し自分の意思で選ぶことだと思います。

【寄稿:2019年10月1日】※所属は寄稿当時。