学友と話す大畠潤さん

■プロフィール
2011年 大阪府立大学 理学部 分子科学科 卒業
2013年 大阪府立大学大学院 理学系研究科 分子科学専攻 博士前期課程 修了
2018年 ライス大学大学院 化学科 博士後期課程 修了
2018年~現在 カリフォルニア大学バークレー校 化学科 日本学術振興会・海外特別研究員(Christopher Chang研究室)

学友と大畠潤さん

大阪府立大学を卒業して6年たちますが、私は今もなお、あの堺市中区で学んだ「化学」に関する仕事をしております。
昨年の5月にテキサスのライス大学で博士号を取得して、現在は化学と生物学の両方に関する研究をカリフォルニアで行っています。光るクラゲのノーベル賞がありましたよね。私はクラゲの力じゃなく化学の力を使って細胞の中の小さな分子を光らせています。世界中から集まる研究者たちと、英語を用いて、誰もやったことのない科学をする今の仕事はやりがいがあり、同時にとても楽しいです。

昔から科学者になることに憧れを持ってはいましたが、アメリカの研究機関で働くことは夢にも思っていませんでした。英語は好きなほうでしたけど特別な学校には行っていませんでしたし、成績もそこそこぐらいでした(中学1年2学期の期末試験の英語はたしか70点台…)。大阪の花園高校よりなんとか府大に滑り込み、入学後は部活動のバスケに打ち込んでいるばかりで海外留学はまさに他人事でした。

学友と大畠潤さん海外で将来的に研究したいと思ったきっかけは、担当教授の松坂裕之先生の紹介でフランスに短期研究留学したことでした。その後「アメリカで博士号を取りたい」と思い始めたものの、現実的にそんなことができるのかいつも不安でした。しかし分子科の先生方、松坂 先生、竹本 真 先生、柳 日馨 先生、英語の本條 勝彦 先生、またその他多くの人たちの支えを受けて最終的にライス大学への入学を実現できました。
最先端の研究をしている国に飛び込んでみたいという私の身勝手な夢を最大限に支援してくださった府大の方々には感謝してもしつくせないです。他の大学のことはわかりませんが、府大の理学類ならではの少人数制もあって一人一人に対する親身さがあったのかなと振り返ります。またライス大学における博士課程取得までの5年間をやりきれたのも府大で学んだ基礎のおかげでした。どうでしょう、みなさんも堺市中区で大学生活してみませんか?

【寄稿:2019年9月13日】※所属は寄稿当時。