生駒 治さん(大阪府 スマートシティ戦略部 デジタル行政推進課 課長)
1988年3月 大阪府立大学 工学部 経営工学科 卒業

 

これまでの『対面・接触』から『非対面・非接触』へと人々の生活様式が大きく変化している中、かつてないほど『デジタル』が注目されています。国ではこの9月にデジタル庁を発足させて、強力にデジタル改革を進めようとしており、これに呼応して自治体でもデジタル化を進める動きが活発化しています。こうした取組みには専門人材(デジタル人材)の確保・育成が重要だと言われています。

 

私の所属は『スマートシティ』や『デジタル』といった語を冠していて、いかにも情報系の分野を学んできたデジタル人材が揃っているような感じではありますが、現実はそういうわけでもなく、デジタル・アナログ混在といったところでしょうか。私自身も、改めて大学時代からこれまでを振り返ってみると、デジタルというよりアナログ感がかなり強いですね。

―大学時代―

大学の頃は、まったくと言っていいほど情報系の知識はありませんでした(というかあまり興味もなかった)。例えば、プログラミングの授業では友人のプログラムをちょいと拝借していましたし、卒業研究に必要なプログラムもほぼ同じ感じで何とか乗り切っていました。また、卒論もワープロソフトを使うことなく手書きでしたしね。(ってことは覚えているのですが、肝心の研究の内容については記憶が定かでは・・・ご指導いただいた先生ゴメンなさい!)

―電機メーカー時代―

特別に興味があったわけではありませんが、「システム系の仕事って何かええ感じかも?」というフワッとした思いで、とある電機メーカーに就職しました。私の浅~い思いがバレたのか定かではないですが、システム部門ではなく電子部品の事業部に配属され生産管理を担当することになりました。そこでは、生産計画や資材調達、新工場プロジェクトなどに携わりました。生産計画を立てる際にはデータをもとにシステマティックに分析し予測するといったわけでもなく、帳票を見て「ああでもない、こうでもない」と電卓をたたきながら悪戦苦闘していましたね。

―府庁へ―

どこからどうみてもアナログな私が、その後、大阪府でシステム系の仕事に携わることになりました。就職した頃は自分たちでシステムの設計・構築・運用を行っていましたので、業務をこなすためにシステム関連の知識が不可欠でした。研修やOJTなどを通じて徐々に仕事をこなせるようになり、少しはデジタルに目覚めたような気がします(大学の頃からマジメに勉強しておけばよかった・・・)。

―『デジタル』時代―

と、まあ私の回顧はさておき、情報通信技術のめざましい進歩により、今はあらゆるものがネットワークにつながり、誰もがいつでもどこからでも必要な情報にアクセスできるようになりましたし、ビッグデータの活用などによる新たなサービスやビジネスもどんどん生まれてきています。『デジタル』の活用が当たり前になり、これからも社会や生活がどんどん変わっていくでしょう。新たな技術で変革を巻き起こしていく、あるいは様々な変化に順応していくためには、今以上にデジタル関連の知識が必要になってくるのではないでしょうか。

―受験生へのメッセージ―

来春から、府大はさらなる飛躍に向けて、大阪公立大学として新たな第一歩を踏み出すこととなります。『デジタル』分野についても、「学びたい」と思ったときにしっかりと学べるような環境が整えられるでしょう。
そこで学ばれた一人ひとりが、専門知識を極めるスペシャリストの道に進むもよし、知識をベースにしながら様々なジャンルにチャレンジするのもよし、自分自身の無限の可能性を信じ、未来に向けて大きく羽ばたかれることを期待しています。

【寄稿:2021年9月2日】※所属は寄稿当時。