2018年5月、アメリカ・アリゾナ州のエンブリー・リドル航空大学(Embry-Riddle Aeronautical University)によるJapan Program 2018が、中百舌鳥キャンパスを中心に行われました。日本にやってきた学生たちのサポートをする“バディ”としてボランティアに参加した学生にインタビュー第一弾。
中村 元寛(なかむら もとひろ)
現代システム科学域 マネジメント学類2年
学生FDスタッフ
―なぜこのプログラムに参加しようと思ったのか教えてください。
1年生の春頃にマレーシアに語学研修に行った際、現地の学生バディが現地の案内をしてくれたり、宿舎に不審者が現れた時に助けてくれたりしました。そういった経験から、大学で同じ様にバディプログラムが実施されると知ってぜひ参加して次は自分が留学生の役に立ちたいと思ったとともに、自分の英語力を鍛える絶好の機会だと感じ参加しました。
―マレーシアの語学研修以外にも、これまでグローバルな経験やボランティア活動などをした経験はありますか?
ボランティアではないのですが、今度、タイのプーケットにあるPSU (プリンス・オブ・ソンクラー大学)で海外インターンシップに参加する予定です。こちらは大学の単位も認定されるプログラムなんです。このプログラムに先立って、タイの学生が来日しました。今回のバディプログラムと同じように、向こうの学生と交流したり、いろんなところへ案内してあげたりしました。
―ERAU生が本学に来てくれた際のお話を聞かせてもらえますか?
今回のバディプログラムは、ERAUの学生1人に対して府大の学生がバディとして2、3人付くという形でサポートしました。ERAU生は、15人来ていただいていたのですが、全員で動くということは少なく、ERAU生が一人ひとりしたいこと、行きたいところへ府大の学生バディが案内してあげるといった形でした。
僕はインド人の女の子のバディを担当し、難波の大型量販店や、犬カフェに行きました。日本でも猫カフェって結構メジャーになりつつあると思うんですけど、犬カフェはなかなか珍しくて、その犬カフェが難波にあるということだったので行きました。
―そんな中で印象に残っているエピソードはありますか?
やはり、彼らと接する中で日本とアメリカの文化の違いというものを日本にいながらも感じることはありました。あとは、和文化体験では、自分は日本人でありながら、着物を着たり、お茶立てをしたりといった初めての経験をすることができ、一緒に楽しむことができました。
また、僕は行けなかったのですが、大手ファーストフード店の日本の味が気になるとのことだったので、行ってきたそうです。やはり味は少し違ったようです。
―このプログラムに参加してよかったと思うことを教えてもらえますか?
やはり1番は自分が楽しめたということですかね。また、大阪出身ではない私が(中村さんは兵庫県出身)、府大生として大阪の街を案内したのはとても面白い経験でした。あとは、自分がマレーシアに語学研修に行った際に現地のバディにしてもらった小さな気遣いのありがたさを、自分が現地バディとして活動することで、改めて感じました。
また、人によりますが、日本語を少し話せるようになった子もいましたし、ある子は最終日にはカタカナなどの日本語も全部読めるようになっていましたね。その子は、先生からも「彼は吸収力がすごい」とほめられていました。彼は最終日、難波の味園ビルで開かれたエンドオブザパーティでは、日本語でカラオケも歌っていましたよ(笑)
―このプログラムの中で、もっとこうしたらよかったなと思うことなどはありますか?
やはり、自分の英語力がもう少しあればよかったなと思うことはありました。特に、リスニングに関しては強く思いました。マレーシアでは、英語がセカンドランゲージという位置付けであり、あくまでも主言語はマレー語であったため、みんなゆっくりした英語で話してくれたのですが、今回バディとして付いたERAU生たちの英語は、想像以上に速くて、会話の内容を聞き取れない場面も多く、苦労しました。そういったことから、もっと英語を聞き取る力をつけておけばよかったなと思いました。
あとは、なかなかスケジュールが合わずに、ERAU生との交流の場にあまり参加できなかったかなと思います。授業終わりに、一緒に天王寺や京都へ観光に行くというような企画があったのですが、そういったところにもなかなか参加できませんでした。特に、友好祭にいけなかったのはとても残念でした。
バディとしての活動期間中も通常通り授業はあるのでずっと付きっきりというわけにもいきませんでしたが、付きっきりだと、ERAU生の為にもならないんじゃないかとも思いました。
―今度またこのようなプログラムがあったときに、参加する学生に向けて何かアドバイスなどありますか?
やはり1番は、バディの学生の話を聞いてあげるということが一番大事だと思います。団体で来るとはいえ、初めての土地で過ごすということに少なからず不安を抱えていると思います。そういう中で、現地の学生バディが「何か困ったことはない?」とか、「今日は何する予定?」といったことを聞いてあげることは、とても大事だなと感じました。英語力がなくても、そうやって話しかけに行くという姿勢、コミュニケーションが大切だなと思います。
あとは、自分が楽しむということですね!無理のない範囲で、可能な限りサポートしてあげて、自分も楽しむということが、来てくれたバディの学生にとっても良いことだと思います。
―今後、このバディの経験をどのように活かしていきたいですか?
今後、府大に来てくれた留学生との交流であったり、府大生の英語力を上昇させる企画であったりにできればなと思います。府大生のバディとはせっかく繋がった関係なので、今後も何かできればいいですね。
また、長期にわたって府大にいる留学生と交流を深めるのも良いんですが、個人的には今回のように短期的に府大を訪れてくれる海外の学生を案内するような機会がもっと増えると良いなと思っているので、大学がもっと今回のような機会を増やしてくれることを望んでいます。
あとは、2回生の間に、もっと海外へ行く機会を増やしたいなと思っています。
また、レジデントサポーター(国際交流会館宿舎 I-wingなかもずに住んで、留学生と共同生活をする学生)は、大学内に住めるという魅力もあるので、そういうのもしようかなとちょっと考えている途中でもあります。
―来年3年生になりますが、またこの企画があったら忙しくても参加しますか?
絶対参加します。このプログラムのよかったところは、先にもお話したとおり府大生2~3人がバディ1人につくという形だったので、バディ同士で連携ができ、自分が絶対行かないといけないというプレッシャーがなく参加しやすかったところだと思います。参加しているメンバーも1回生から大学院生までおり、スケジュールがバラバラだったこともあって参加しやすかったのかなと思いました。
この企画は継続してやってほしいです。絶対に興味ある人はいるので。また、他のいろんな大学からも留学生が来ていると思うので、その学生たちにバディをつけてみたりしてもいいと思います。
―大阪府立大学に入学しようと思った理由と今現在勉強している専門分野を教えてください。
志望校を決定する前からオープンキャンパスには参加していて、府大は様々な学問を学べるので良いなと思っていました。
学域という単位で入学したので、学類は入学時点では決まっていなかったのですが、いろいろと考えた結果、マネジメント学類に進むことにしました。今はまだ2年生なので、ゼミや研究室などはないのですが、座学で経営学や会計学、生産システムなどを勉強しています。そうして、今年の後期からは、専門を絞っていく予定です。
専門が決定してもそれ以外を勉強してはいけないというわけではありませんが、力を入れる分野(専門)を一つ決めて、それに加えて他の学問についても学んでいこうと思っています。あとは、現在、副専攻で情報システムを勉強しているのですが、まだ余裕がありそうだったので、CR(※1)の副専攻も取っています。
―卒業後のビジョンはどのようなものを描いておられますか?
卒業後にこうなりたいという具体的なイメージはまだないのですが、今は自分の専門を頑張りつつ、先ほども述べた副専攻であったり、学生FDスタッフの活動であったり、今回のようなバディプログラムであったりというような課外活動には、積極的に参加していきたいと思っています。
大阪府立大学には、いろんなことにチャレンジする機会があります。少しでもやりたいと思ったことには積極的に参加すれば良いと思います。今回のバディプログラムは、偶然学生ポータル(※2)で見かけて参加しましたし、FDスタッフには友人から誘われて参加しました。なので、自分から参加しているものばかりではなくて、誰かに誘われてやっているものも多いです。でも、少しでも興味があればすぐに参加しますし、それが自分のスキルアップにもつながっていると感じています。こうやって活動して行く中で、卒業後進みたい道が見えてくるかもしれないですね。
―大阪府立大学に進学したいなと思っている受験生に向けて一言ありますか。
府大は大きい大学で、設備も整っていて、やりたいことをやろうと思ったら絶対にどこかに自分の興味あることが落ちてると思うんですよ。そういう環境にいるので、やりたいことがあればどんどんやっていったらいいし、そうでない人は大学で探すこともできるよと言いたい。最後までがんばってもらえたらいいのかなと思います。
※1 コミュニティ・リレーションズ(CR)…地域の活性化などについての内容
※2 学生ポータル…学生生活や学校行事、学業に関する事項などを発信している電子掲示板
【取材日:2018年7月19日】※所属・学年は取材当時