2021年12月11日(土)、日本原子力研究開発機構 楢葉遠隔技術開発センターにて日本原子力研究開発機構 廃止措置人材育成高専等連携協議会主催「第6回 廃炉創造ロボコン」が開催されました。
大阪府立大学工業高等専門学校(以降、府大高専)からは、メカトロニクスコース5年生3名による有志チーム「和田安藤研究室」が出場し、見事、2位にあたる福島県知事賞(優秀賞)を受賞しました。チームメンバーは全員、高専ロボコン経験者の「ろぼっと倶楽部」OBです。
府大高専のロボット「Tech Top(テックトップ)」は青いLEDが光るきれいな機体。今回の出場ロボットの中では中くらいの大きさですが、段差もスムーズに進み、さらに、ケーブルが車輪に巻き込まれたりしないよう通路にアンカーで接着するという独創的なアイデアを実践。高い総合力、高いセンシング技術が関係者から評価されての受賞となりました。
■第6回廃炉創造ロボコン 競技課題「廃炉ミッション! 壁を除染せよ」
廃炉ロボコンはロボット製作を通じて、今後活躍を期待される世代の学生に廃炉に関する興味を持ってもらうと同時に、学生の 創造性・課題解決能力・課題発見能力を養うことを目的として開催。2021年は12高専の13チームが参加しました。
〈競技内容〉
福島第一原子力発電所原子炉建屋内における除染作業を想定した内容。
- ロボット本体が見えない状態のなか、有線による遠隔操作。
- 狭い段差のある通路を走行。
- 除染対象の約2.7メートルの高さにある壁(模造紙)を塗りつぶす。
■チームメンバー
- リーダー 兼 制御担当:
メカトロニクスコース 5年生 服部 舜(はっとり しゅん) さん - 機械担当:
メカトロニクスコース 5年生 佐々木 健(ささき たける) さん - 回路担当:
メカトロニクスコース 5年生 中井 悠稀(なかい ゆうき) さん
学生のコメント |
メカトロニクスコース5年生 服部 舜 さん
私たちは機械面・制御面において様々なことにチャレンジすることをモットーにこの廃炉ロボコンに出場しました。
今回のように少人数のチーム構成で競技を完遂するためには各々が最大限のパフォーマンスを発揮する必要があると考えました。そこで私たちはそれぞれが高専ロボコンで培った経験・知識を元に、安定性・信頼性が担保されている過去に確立した技術と、十分とは言い難い人的リソースを補完するために、新たに導入する技術の選択を行いました。
具体的に制御面ではROS・CANを用いることで、仕様やハードウェアの変更箇所を瞬時に吸収することができる拡張性の高い制御システムの構築や、実機体が未完成の状態でのシミュレーションを用いた操縦練習、回路面では高出力モータや制御ユニットの安定動作に必要不可欠な電力供給用基板の製作、機械面では機構ユニットごとに容易に分離可能な設計に加え、ジェネレーティブデザインを用いた形状最適化を行いました。
これらの工夫点は競技の審査には直接的な評価はされませんでしたが、除染面積では2位という結果を残すことができ、優秀賞を頂くことができました。
今回受賞することができたのは、私たちの力だけではなく、様々な面で活動を支えてくださった教職員の皆さま、大会主催、後援、運営をしてくださった関係者の皆様のおかげです。この場をお借りして深く感謝いたします。
【関連情報】
- 大阪府立大学工業高等専門学校 ろぼっと倶楽部 Twitter アカウント
- 第6回廃炉創造ロボコン
- 本校学生チームが「第6回廃炉創造ロボコン」で福島県知事賞(優秀賞)を受賞しました!
- 受験生の皆様へ(大阪府立大学工業高等専門学校 Webページ)
- 大阪公立大学 入試情報サイト
【取材日:2022年3月29日】※所属は取材当時