7月20日、羽曳野キャンパスで看護学類「基礎看護技術学Ⅱ」の授業を取材しました。

「基礎看護技術学Ⅱ」は学類2年生を対象とした授業で、基本的なコミュニケーション、日常生活援助に関わる環境調整、食事援助、排泄援助、活動休息援助、清潔・衣生活援助、バイタルサインの測定などの看護技術を学習します。

IMG_2100この日は食事の援助と口腔ケアの演習が行われていました。

機能障害がある患者への食事介助や口腔ケアの方法を理解し実施する事が目的で、学生が2人ペアになり、患者と看護師の立場を両方体験し学びます。

 

 

演習に入る前に、教員がモデル人形を使い実演しながら援助のポイントを、その根拠に基づいて説明します。
実演を見る学生たちの表情は真剣そのもの。一言一句を聞き逃すまいと、教員の話に耳を傾けていました。

○IMG_2060○IMG_2065
さて、いよいよ演習の時間です。

まず準備です。○IMG_2077

看護師役の学生は、食事の準備やベッドの高さや患者の身体の位置や角度の調整を行います。
患者役の学生は、パジャマに着替えベッドに入ります。
お互いに気恥ずかしい面持ちで、食事介助が始まりました。

最初は両手が不自由な患者の30度ベッドアップでの食事介助です。寝ている状態に近い角度なので、飲み物を口に入れるのも難しそうです。
次に両手が不自由な患者の60度ベッドアップの食事介助。これは座っている状態に近くなり、30度よりも食事介助もしやすくなったようです。さらに、60度ベットアップでは、利き手が不自由になった場合の自力での食事摂取を体験し、患者の不自由さを実感していました。
それぞれの介助で必要となる配慮や患者の気持ちを体験できました。

<30度ベッドアップの食事介助>

<60度ベッドアップの食事介助>

○IMG_2101教員は、それぞれのベッドの角度やオーバーベッドテーブルの高さ、食器の位置をチェックしながらアドバイスをします。

学生はそのアドバイスを受け、テーブルの高さを変えたり、タオルや枕を使って体の位置を調整することで、それぞれの違いや気をつけるポイントを学びました。

 

食事の後は口腔ケアを実施します。看護師役の学生は、感染予防のために、マスク、エプロン、手袋、ゴーグルを装着し、水とスポンジブラシを使っての口腔ケアを行いました。ベッド上でのうがいには、ガーグルベースン(※)を用いますが、30度ベッドアップになっているので、水をこぼさないようにうがいをさせるのも一苦労です。
(※)うがいをする時に受け皿として使用するもの

○IMG_2107○IMG_2113

 

ここまでの一連の演習が終わったら、次は看護師役と患者役を交代し、後半の演習が始まります。
前半の演習でそれぞれ逆の立場を経験しているため、相手の視点で食事介助にのぞむ事ができ、演習もスムーズに進んでいるように見受けられます。

○DSCN4395○DSCN4405

○DSCN4409演習が終わると片付けをして、約3時間の授業は終了です。やや緊張していた学生達にも笑顔が戻りました。

来週の演習開始時に提出する課題レポートには、演習における看護師・患者の立場における学びを記載しますが、初めての食事介助の経験は患者の気持ちも体験できる貴重な体験でたくさんの学びがあったのではないでしょうか。

 

学生たちの真剣に演習に取り組む姿に、これからも演習や実習をたくさん経験して立派な看護師になってほしいと願わずにいられませんでした。これからもがんばってください。

【取材:広報課 大槻 由佳】
【取材日:2016年7月20日】※所属・学年は取材当時