I-siteなんば「まちライブラリー@大阪府立大学」で2014年12月19日(金)に開催された第12回アカデミックカフェ。
カタリストに地域保健学域 総合リハビリテーション学類の奥田邦晴先生お迎えし、「障がい者のスポーツを通して、障がいについて考える」をテーマに開催されました。
奥田先生は、理学療法士として障がいのある方のスポーツや生活に関わっていらっしゃり、障がいやリハビリテーションの定義、そして障がい者スポーツ競技「ボッチャ」について、お話いただきました。
障がい者にとってのリハビリテーションは「自らの人生を変革していくための手段」だと先生はお話くださいます。リハビリは症状の改善をめざすものだけではない、障がい者が自立生活を行うための重要なプロセスなんだと感じました。そういった意味で、障がい者スポーツは自立生活支援の手段であり、障害がある方々の社会に踏み出す一歩として重要な役割を担っています。
「ボッチャ」はパラリンピックの正式種目。奥田先生は競技の普及・啓発に取り組んでおられます。革製のボールを投げたり転がしたりする競技で、重度障がいの方でも参加できます。実際にボッチャを行っている動画を見たのですが、競技に向き合う姿は、まさにアスリート!
お話の後半では、参加者の皆さんと一緒に「ボッチャ」を体験しました。シンプルなルールのスポーツだから簡単だろうと思っていたのですが、結果は、ご想像にお任せします…。
障害がある方々にとって、自立生活がいかに困難であるか。その第一歩を踏み出すのにいかに勇気が必要なことか。
私たちの想像の範疇を超えるものだと思います。しかし健常者である私たちが障がい者スポーツ競技の輪に積極的に参加することが、障害がある方々の自立支援の一助にもなり、障がいへの理解へつながっていくのだと感じました。
▼奥田先生にご紹介いただいた本
●『脳のなかの幽霊』(角川文庫)V・S・ラマチャンドラン(著)
●『脊髄損傷の理学療法』(医歯薬出版株式会社)奥田邦晴、岩崎洋(著)奈良勲(監修)
【取材日:2014年12月19日】※所属は取材当時