11/24、関西大学高槻ミューズキャンパスにて、宇宙HACK!の出張講座「NASA超大物研究者が関西上陸!」が開催されました。 学生代表の立場でこのコーナーの企画・運営を取りまとめていたのが、大阪府立大学 工学域 物質化学系学類 応用化学課程4年の矢野綾子さん。

矢野さんは、SSSRC(小型宇宙機システム研究センター)、宇宙広報団体TELSTARに所属しており、自身の研究テーマである電池という専門分野を活かしながら、ずっと夢見ていた宇宙に関わる活動をTELSTARの他大学学生や団体内外の社会人の方々と共に行っています。

以下、矢野さんも大活躍された、宇宙HACK!の出張講座についてのレポートをお送りします!

イベント当日は、一般参加者と中・高等部の生徒やその保護者等、参加者が300名を超え、会場はこれから始まる宇宙HACK!に対するわくわくで溢れていました。

今回の出張講座の内容は、2部構成。

第1部は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) JPL 勤務の小野雅裕さんの御講演、第2部は『ナゼ人間ハ宇宙ヲ目指スノカ』というテーマのトークショーでした。

当日プログラム

 

●第1部 講演「惑星は呼んでいる〜NASA技術者が語る宇宙探査最前線」小野雅裕 氏 (NASAジェット推進研究所)

小野さんの御講演は「宇宙に惑星がいくつあるのか」や、銀河にある星の数をピンポン玉とドーム球場の関係性でわかりやすく説明するところから始まりました。

その他にも無数にある惑星に知的生命体がいる可能性や、隕石が地球に衝突し、文明が滅びることはあるのかなど、非常に興味深いお話をされていました。 質問コーナーでは、小学生からも専門的な質問が飛び出し、参加者の宇宙に関する意識の高さが伺えました。

○以下、当日出た質問と回答。

Q、マーズ2020(NASA火星探査計画)のローバー(月面探査車)のプログラミング言語は何ですか?

A、C言語です。

Q、火星に着陸する時はどのような方法ですか?

A、2012年も採用された「スカイ・クレーン」という技術で、探査車を吊り下げて軟着陸させるという方法です。

Q、グリーゼ68という(生命が存在する可能性のある)惑星を知っていますか?

A、名前は知っていますが、正直な所まだ分からないことが多い惑星なのです。質問者のあなたが将来、宇宙に携わる仕事に就いてもっと調べてみてください、期待しています。

●第2部 トークショー トークショーのテーマは『ナゼ人間ハ宇宙ヲ目指スノカ』

登壇者は、

<モデレーター>辻田 幸廣 さん (京都精華大学マンガ学部・准教授)

小野 雅裕さん (NASAジェット推進研究所)

武田 康廣さん (GAINAX京都、さくら遊学舎、京都情報大学院大学)

菊池 秀明さん (ASTREX航空宇宙技研、(一社)航空宇宙振興会 夢宙)

渡辺 公貴さん (株式会社タカラトミー) の5名。

宇宙、そして関西にゆかりのある有名な方々が揃い踏みで、登壇者各人の宇宙への様々な想いや、興味を持ったきっかけ、現在どのような活動をされているか等、多種多様なお話を聞くことができました。

その他、ロビーでは、TSUTAYAさんによる、小野さんの著書や宇宙関連本の出張販売が行われていたり、展示ブースが設けられていたり、たくさんの宇宙がそこにはありました。

このような興味深い事業を企画・運営された矢野さん。
彼女の専門は航空宇宙ではなく、応用化学であり、宇宙と直接かかわりのある分野ではありません。小さいころから興味が絶えなかった「宇宙」について、今の自分の専門分野も活かしながら活動されています。

大阪府立大学には、矢野さんをはじめ、自分の専門を活かしながらその専門の外で活躍する学生が多くいます。

視野を広く持ち、専門にとらわれず、自由な活動ができることが府大生の強みなのかなと改めて感じさせられた矢野さんの活躍でした。

 

 

 〈当日を終えて:矢野綾子さん〉

初めまして、今回の宇宙Hack!の学生代表を務めさせて頂きました、応用化学課程4年の矢野綾子と申します。

本イベントの趣旨は「関西の宇宙を盛り上げよう!」「宇宙を身近に感じてもらいたい!」の二点です。

JAXA等の宇宙関連機関が多くある関東に比べて、関西は宇宙イベントの数が少ない傾向にあります。また、宇宙は大変不思議で魅力的な存在であるにも関わらず、「難しそうだ。」といったイメージで自分とは遠い存在だと忌避されることも少なくありません。

このような現状や先入観を打破したい、そして「宇宙って身近なものなんだ!」と知ってもらうことを目標に、小野雅裕さんやゲストの方々を含め、企画・運営メンバーが一丸となって我武者羅に取り組みました。

イベント当日は、企画当初には予想もし得なかった多くの方々がご来場下さり、おもしろかった!有意義だった!などのお声も多数頂けて大変嬉しかったです。

今後も宇宙Hack!は大阪を中心に開催されます。宇宙開発が世界的に行われている中、関西の熱いパワーが関西の宇宙には必要なのではないかと私は考えます。

本イベントの企画・運営を行った、宇宙広報団体TELSTARに興味のある方は、以下のメールアドレスにご連絡下さい!( yano.telstar@gmail.com

宇宙Hack!を取り上げて下さった、大阪府立大学の広報課、Michitakeの方々に感謝を申し上げます。

 

【取材日:2017年11月24日】※所属は取材当時。