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文系・理系にこだわらず、いろんな人と出会って欲しい!

地域保健学域 教育福祉学類 4年生

村上美詞(むらかみ みのり)さん

大阪府立大学に3年次編入した理由を教えてください。

以前は北海道大学で環境工学を学んでいたのですが、“障害”や“福祉”の分野に興味があり、編入を考えました。大阪府立大学には「教育福祉」という枠組みがあり、さまざまな視点から福祉を学べる所が魅力的でした。

「障がいがある方」といっても、子どももいれば、お年寄りもいて、働いている方もいれば生活保護で暮らす方もいる。人の多様さに触れる分野だからこそ「その人」に対する多角的な視点や考え方を知らなければならない。多様な「教育・福祉」の視点を学べるということが大阪府立大学を選んだ決め手でした。

入学後、どのような印象を持ちましたか?

先生方はもちろん、同じ学類で学ぶ仲間との時間が刺激的でした。
教育福祉の学生が興味のある分野は「ジェンダー」「貧困」「子どもの権利」など多岐にわたっています。そのため「社会を良くしていきたい」という気持ちは同じでも、テーマによって意見がぶつかることもありました。そうした議論は、立場によって課題の見え方が異なることを知り、自分では気付かなかった視点を知る最高の機会でした。府大には熱く議論できる環境や、学生の多様さを当たり前に受け入れてくれる懐の深さがあります。実際、聴講生の中には70代の方や障がいのある方もいらっしゃり、思いもよらない意見に出会うことができました。その上で最終的に全員の意見をまとめ、誰もがベターと思える答え(考え)を導き出す作業も、府大でしかできない経験だったと思います。

印象に残っている授業はありますか?

社会福祉実習が、一番印象に残っています。1ヶ月間、障がい者施設で実習をさせていただき、実際の現場を肌で感じることができました。私が実習した施設は、知的障がいのある方が日中に通う場でした。そうした現場でより良い支援をするためには、制度的な知識だけではなく、人の気持ちを動かすスキルや、共に働く方々とチームをして働くことが重要だと学ぶことができました。

現場では「それはどういう意味?」と質問されることもありましたが、自分なりに説明すると「その言葉(考え)って大事だよね!」と共感していただけました。その経験を通じて「知識だけでなく、伝えていく力をもっと身につけていきたい」と思うようになりました。

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実習で思い出に残っていることはありますか?

利用者に対して「個別支援計画」を立てる機会があったのですが、ご本人の意に反しない計画づくりに苦労しました。私が担当した方は、言葉を話さないルーティンを大切にされる傾向があって、物の配置や食事にこだわりがあり、決まった通りに物事が進まないと怒ることがありました。なぜ怒るのか、どうすればその方が快適に過ごせるのか考えて、個別支援計画を考えました。

また、実習が終わった時に、ある利用者さんから表彰状をいただきました。その方は普段は口がわるく、小言を言われることも多かったのですが、表彰状を渡してくださった時に「お前はこの仕事向いていると思うよ!」と言っていただいたのが、とても嬉しかったです。

大学生活で印象に残っている事はありますか?

『堺市仕掛け人』という堺市と大阪府立大学の産学共同プロジェクトで、堺市の伝統産業を広めようという活動に携わりました。とある老舗の線香屋と繋がって、若者に線香を広める方法を模索しました。3Dプリンターで新しい型を作ったり、ネットショップを開設したり、大学祭でワークショップも開きました。

ただ、楽しそうという安易な理由で始めたので、途中で「そもそも、何をやりたかったんだろう…」という気持ちがメンバーの中に芽生え、最終的にはそれぞれの気持ちが離れてしまいました。反省の多いプロジェクトとなりましたが「何か物事を始める時は、メンバー全員でプロジェクトのビジョン(最終的にめざす姿)や目的意識を共有しなければならない」ということを学びました。

また、この経験があったおかげで学域学類の垣根を越えた友人や、先生に出会い、たくさんの社会人の方との繋がりを持つことができました。Fledge(フレッジ)とう若手アントレプレナー育成の授業に参加するきっかけにもなり、その結果、文部科学省が主催しているコンペに運営スタッフとして呼んでいただくなど、貴重な経験ができました。

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「エッジコンペ2016」で、Silver awardとオーディエンス賞とをダブル受賞

卒業後どんな社会人になりたいですか?

就職先が市役所なので、いろいろな年代の市民の声を聞いて、社会を変えていく仕事ができればと思ってます。これまで「障害」をテーマに活動してきたので、自分の中に「社会の側にある障害をなくしたい」「社会を変えていきたい」という軸があります。また、障害とは障がい者手帳を持っている方に限らず、例えば「定時で退社できない人(もしくは環境)」というのも社会の障害の一つだと捉えることができるのではないかと思います。そういった一つ一つの障害を解消する一助になれればと思っています。

在学生に伝えたいことはありますか?

大学のイベントには積極的に参加して、たくさんの学生や大学の教職員の方にたくさん出会ってほしいです。その中で、自分の考えややりたいことを伝えると、学生同士を繋げてくれたり、なかなか知り合うことのできない社会人の方と会う機会をいただけることがあります。文系・理系にこだわらずいろんな人と出会って、しっかりアンテナを張って、いろいろなことにチャレンジしてください。

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豊岡市副市長 真野 毅さんと

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村上さん出演の大学PV撮影時の一コマ

大阪府立大学に進学を考える高校生にむけてメッセージをお願いします。

自分のやりたいことを、しっかり考えて大学や学域を選んで欲しいです。分からなければ、高校の先生に聞いたり、少しでも興味のある分野のことを自分なりに調べてみてください。府大は、アクセスも良いので、そういった環境面でもおすすめの大学です。

 

【取材:西野 寛子(広報課)】
【取材日:2017年3月31日】 ※所属・学年は取材当時