IDecインターンシップ体験レポート
2013年3月 工学研究科 電子・数物系専攻 電子物理工学分野
博士後期課程修了
株式会社リコー
リコー未来技術研究所 先端デバイス研究センター 第3研究室
自分を試すためのインターンシップ
博士後期過程2年の夏から半年間、ベルギーのimecにインターンシップをさせていただきました。目的は、自分の力が企業で通用するのか、役に立てるのか、力不足ならば何が足りないのかを体感するためです。imecへの派遣を依頼した理由は、研究内容と、様々な国の研究者・技術者が在籍していることに魅力を感じたためです。インターンシップで最も良かったことは、自分に自信がついたことです。
imecは若手研究者や新しい装置の出入りが激しいため、新鮮で刺激的です。その中で、いかに自分の存在価値を示すか、役に立てるかを常に考えていました。参加させていただいた研究テーマでは、装置も試料も無い状態から始まりましたので、1ヶ月以上も何も結果が出せず、この状況にかなり焦りました。研究課題を解決するために必要なものが揃うまで、でき得る限りの準備をしようと努力しました。しかしながら、自分の知っている範囲でやろうとしたため、手詰まりになりました。
このとき私を救ってくれたのは直属の先輩です。私と先輩は毎日、組織、先輩、および私の持っている技術の話をしました。その会話や、試行錯誤を経て、新しい評価装置を立ち上げることができました。初めてデータを出して保存したときは本当に嬉しかったです。「組織が持っているノウハウ・技術を把握し、それと自分の考えを混ぜていけば新しいものができた」、「装置の開発を通して、組織の中のある分野の専門家として認めてもらえた」。この経験が自信につながりました。
博士課程の期間で自分が信じられる力をつけられると思います。その力は十人十色でなんでもいいと思います。インターンシップは、その力を試す重要な機会を与えてくれます。
IDec(アイデック)とは
IDec(Innovative Doctor education center)は、大阪府立大学高度人材育成センターの通称です。
▼高度人材育成センター