―お仕事のだいたいのスケジュールは?
定刻は10時から18時。しかし、実際はバラバラです。
番組によって出勤時間と退社時間は違います。例えば、ゴルフの中継番組なら朝が早いので6時出勤から大会終了15時から片付け20時、というように長丁場になることも。ドラマはもっと厳しくて日の出の撮影とか昼間のシーン、夜のシーンなど様々で、かつ場所が地方でのロケとなると朝4時から深夜2時までの時もあります。夏の甲子園の忙しいシーズンもあれば、比較的落ち着いてるシーズンもあって、まるで学生時代の研究室生活を思わせるスケジュールになることも多々あります。
―学生時代、課外活動面で積極的に取り組まれたことは何ですか?
幼いころ大学生ボランティアの方にお世話になった経験があって、自身が大学生になった時に同じように子どもたちの世話がしたいと感じ、ボランティアに参加しました。
―テレビ局を志望するきっかけは?
昔は就活になると、各会社のセミナー案内の往復はがきが家に届いていたので、それを見て興味を持ったのがきっかけです。専攻が電気系だったので、電機メーカーも数社、お話を聞いたりもしましたが、テレビ局の雰囲気の良さや明るさに惹かれました。
―マスコミ業界を目指すにあたって困難などありましたか?
正直、あまり苦労はしませんでした。ただ面接で、自分の思っていることを素直に話し、わからないことを聞かれたら素直にわからないと答えました。また、会社に入って何がしたいかをはっきりと伝えました。このことが一番重要だと思います。
―なぜ朝日放送を選ばれたのですか?
関西から出るつもりがなかったので、関西で就職活動を行っていました。昔から朝のABCラジオを聞いていたので、朝日放送は自分にとって印象が良かったんです。あと自分が好きな野球の中継番組も多かったので(笑)。また、朝日放送は他局に比べ自社制作率が高いという点も魅力でした。
―入社後、一番印象に残った経験は何ですか?
北京オリンピックの日本向け配信映像担当メンバーとして現地行ったことです。朝日放送以外にも民放各局の優秀な人材が集まっていて、そのメンバーと共働したことが刺激的でした。また、オリンピックのテレビ放送を作る現場の雰囲気はいつもと違う緊迫感、盛り上がりがありました。このオリンピックがきっかけで自分の力を測ることができ、いい経験になりました。2020年に開催される東京オリンピックでも、若手が活躍するチャンスが増えるのを期待しています。
―今後はどういうジャンルの仕事に挑戦していきたいですか?
今はスイッチャーという、どのカメラの映像をテレビに映すかを決める役割をしたり、技術責任者として新しくスタジオを作るプロジェクトを任されたりしています。今後は東京オリンピックに向けて、より高性能なカメラを用いて、よりリアリティのある映像を提供できるように映像制作の技術を高めていきたいです。
―朝日放送の強みは?
「人」。
ただでさえ個性の強い業界ですが、その中でも朝日放送のメンバーは個性に秀でていると思います。それゆえ個性的な番組ができます。
―企業として求める人物像とは?
話してみて一緒に仕事をしたいと思える人です。
好奇心を持っているかどうか、そしてその好奇心が自分たちと同じ方向を向いているかどうか。勉強を頑張ってきたかも大事ですが、いかに人間形成をしっかりとしてきたかが大事です。また、すぐにへこたれず、負けん気を持っていて、頑張り続けることができる人です。
―最後に府大生の後輩たちにエールを含め、期待やアドバイスをお願いします。
他大学と比べると、府大生はおとなしいイメージなので、後輩たちにはもっと元気で活力のある人になってほしい。そしてそんな元気のある子に朝日放送に来てほしい。
母校の後輩が入社してくることを心待ちにしています。
川本さんありがとうございました!
川本さんは、忙しい中、テレビ局の舞台裏を説明しながら案内してくださり、初対面の私たち学生にも優しく接してくださいました。
【取材:
松田 景太(MICHITAKERs/工学部 4年)
正信 阿優美(MICHITAKERs/人間社会学部 3年)】
【取材日:2013年9月】 ※所属・学年は取材当時