南方 千景(みなかた ちかげ)さん
2017年3月 智辯学園和歌山高等学校 卒業
2021年3月 生命環境科学域 応用生命科学類 卒業
2021年4月 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士前期課程 入学

―応用生命科学類を目指した理由
私の祖父母はみかん農家で、幼い頃からみかんの山畑へ連れて行ってもらって収穫の見学をしたり、自宅の畑で家庭菜園をしたりと、“農業”を身近に感じて生活してきました。私自身も次第に植物の栽培に興味を持つようになり、本学類を目指すに至りました。将来は農業の普及に携わる仕事に就きたいと思っています。


よく連れて行ってもらっていたみかん畑


―研究室について
私が所属する植物栽培生理学研究グループ(大阪公立大学では植物栄養学研究グループ)では持続可能な農業・環境の実現を目的に、植物の栄養素の獲得・利用能力の探求を行っています。

私は大阪府八尾市内のエダマメ圃場から単離された根粒菌の特性やエダマメの生育促進効果の検証を行っています。

高校で生物を選択している人は聞いたことがあるかもしれませんが、ダイズやエンドウなどのマメ科植物は根粒菌という細菌と共生します。根粒菌は大気中の窒素を植物が利用できる形へと変化させ、宿主となるマメ科植物の生育を手助けしてくれます。根粒菌は種やそこから枝別れした系統によって異なる性質を持っており、宿主の生育促進能力も様々です。

そこで、私は大阪府のエダマメ産地である八尾市に居た根粒菌をエダマメに接種することによって、各根粒菌のエダマメへの影響を比較しています。最終的には八尾市のエダマメ栽培に根粒菌を導入し、収量アップに貢献したいと考えています。

― 一日のスケジュール
本研究室には10:00~17:00のコアタイムが設けられているのですが、ここでは例として私の一日のスケジュールを紹介させて頂きます。

研究室に到着するとまず、栽培している植物(私の場合はエダマメ)の管理のために大学内の圃場へ向かいます。夏場はすぐに土がカラカラに乾いてしまうので、こまめに水やりをしなければいけないのが少し大変です。


収穫直前のエダマメの写真(2021年6月頃)

午前中の作業が終わり次第学生室で昼食をとります。時々研究室内外の友達と大学外へランチに行くのも良い気晴らしになっています。昼食後にミーティングがある日もあります。先生やグループのメンバーに研究の進捗を報告したり、次の実験の予定を立てたりします。
ミーティングが終わると、実験が続きます。農学部というと屋外作業ばかりというようなイメージを持たれるかもしれませんが、実際は研究の内容によって様々です。私のように屋外で栽培を行っている人もいれば、室内の人工的な条件で栽培した植物のみを扱っている人も多いです。


実験室の様子

―高校生へのメッセージ
応用生命科学研究科は、私のようにより農業寄りの実用に近い研究を行っている人も居れば、植物の遺伝子やタンパク質などの基礎研究を行っている人も居ます。同じ研究科でも行っている研究の内容は様々ですので、きっと皆さんが興味惹かれるものが見つかると思います。

 

【寄稿:2021年12月24日】※所属は寄稿当時。

 

大阪公立大学 農学部