2021年3月13日(土)に開催される「第3回全国高校eスポーツ選手権」 ロケットリーグ部門 決勝大会に、本学在籍の学生によるチーム「hogehoge」が出場。全国178チームの頂点をめざして、決勝の舞台に臨みます。昨年同大会では惜しくもベスト8。決勝にかける今大会への思いをインタビューしました。
決勝進出の他チームは、N高(沖縄)、釧路高専(北海道)、東海大札幌高(北海道)。例年は東京での開催ですが、新型コロナウイルス感染拡大のため、今回はリモートでの対戦となります。
「hogehoge」は、ロケットリーグ歴5年のリーダー・多胡和馬さん(プレイヤーネーム:kazuryu)、牛島知亮さん(プレイヤーネーム:たんく)、奥村拓未さん(プレイヤーネーム:shiromari)の3人。メカトロニクスコースに所属する3年生です。
――hogehogeは、昨年開催された第2回大会に初出場。準決勝進出をかけた試合に敗れて、ベスト8という成績に終わりました。その時の率直な感想は?
多胡 やはり悔しかったです。でも対戦相手が、第1回大会で優勝し、第2回大会でも2位になったチーム。頑張りましたが、相手が強すぎました。
――前大会での悔しい思いを経て、普段の練習方法などに変化はありましたか?
牛島 ロケットリーグが上手な人たちに教わりながら練習に取り組んだのが、最も変わったところです。それまでは僕たちだけで技術を伸ばそうとしていました。
多胡 上達するには、強いプレイヤーのプレーを見るのが成長につながると聞いたので、オンラインゲームなどで培ったコネクションを使って、ロケットリーグが上手な人にコーチングを依頼しました。それにコーチの知り合いの方たちとの練習や、強いプレイヤーたちとの試合により、チームとして成長していきました。
――1日の練習時間は?
多胡 平均して2時間くらいです。僕たちは部活ではなく、個人としてロケットリーグをやっているので、お互いの家で夜9時頃から集まって練習しています。
――各々のプレースタイルの印象を教えてください。
多胡 奥村くんは、プレー中の反応速度がすごい。ボールや相手に対する反応が速い。その部分が彼の強みだと思っています。牛島くんは、シュートの精度が高いイメージがあります。例えば敵ゴールの前でこぼれたボールを、決めにくい角度からでもシュートして得点してくれます。決定力が高いですね。
奥村 多胡くんは、経験値の高いプレイヤーなので、チームを引っ張ってくれるような立ち回りをしてくれる。だから僕たちも安定したプレーができます。
牛島 多胡くんは、僕のシュートの精度が高いといってくれましたが、自分では決定力があるとは思っていなくて、実際、ゴール前でパスにつなげてしまうことが多いです。でも彼は5年間プレーしているだけあって、とても上手。僕がパスを出したスペースに、絶対にポジショニングしてくれます。そして、シュートを決めてくれる。だから彼には安心してパスを出せます。ゴール前の嗅覚も鋭いです。
――チーム「hogehoge」結成のきっかけを教えてください。
牛島 当時、大会に出場しようと提案したのは僕でした。僕たち3人はロボットクラブに所属した同じ部活仲間で仲が良かった。ある日3人で雑談していた時、多胡くんに大会の話をしたところ「出場してみようか」と決めたのが、チーム結成の始まりでした。結成時は、奥村くんと僕はロケットリーグ未経験でしたが、みんなでゲームする機会がほとんどなかったので、一緒に遊んでみたいと思ったのもあります。
――ロケットリーグの面白さとは?
多胡 上手いプレーをするためには、基礎的な操作がとても大切なので、地道に鍛えることで少しずつ上手になっていくところが、面白いと思っています。でも最初はボールに触ることすらままならないような動きをしていました。
――皆さんは身体を動かす実際のサッカー経験はあったんですか?
多胡 僕は小学3年から6年までサッカー経験者です。ロケットリーグをやり始めた時は、サッカーやったことあるし、ゲームでもアドバンテージはあるかなと思っていましたが、そんなになかったです(笑)。
――昨年チームを結成して、決勝を迎える現在に至るまでの活動を通して得たものは?
多胡 3人の友情は深まったかなと思います。(みんなうなずく)それと、僕自身で得たものは、ロケットリーグを通じて5年間積み重ねてきた人とのつながりです。コーチを引き受けてくださったり、練習相手になってくれたり。僕たちのために協力してくれたことがとても嬉しかったですし、何よりの財産です。
――現在はeスポーツ専攻コースを設けている高校もありますし、プロゲーマー志望の学生も少なくありません。一方、学業も疎かにできない高専生として決勝大会まで勝ち進むのは容易なことではないと思います。そんな中で、eスポーツと学業の両立については、どのように考えていますか?
牛島 大会に出たからといって成績が下がったことはないので、両立はできています。他の2人も同じだと思います。
奥村 eスポーツに取り組む高専生としてのメリットは、3年次に受験がないというのは大きい。普通の高校なら受験勉強に集中する時間をeスポーツに充てることができます。5年間という高専の教育スパンが合っているように感じます。
――改めて、eスポーツの魅力を教えてください。
牛島 大会を通じて知り合った人も結構いるので、知らなかった人たちと仲良くなるという点です。
――では最後に、決勝大会に向けて意気込みをお願いします。決勝大会では、東海大札幌高と対戦し勝利すると、N高(沖縄)と釧路高専(北海道)の勝利チームと優勝を争います。
多胡 まずは目の前の東海大札幌高との試合に集中ですね。決勝に進めば当たるかもしれないN高は、とても強いチームです。もし自分たちが戦うことになれば、一方的な展開にならないよう、試合として成立しているところを視聴者に見せたい。気を抜かずに頑張ります。
牛島 東海大札幌高にもとても上手いプレイヤーがいるので、その選手にどう対応するかがポイント。N高はとても強いので、動きについて行けるかとても心配ですけど、頑張りたいです。
奥村 僕はチームの2人に比べるとプレイヤーとしてのランクが低いんですが、何とかくらいついていって、1つでも多くの見せ場が作れたらと思っています。
――決勝での皆さんのご活躍を期待しています。頑張ってください!
一同 ありがとうございます! 頑張ります!
全国高校eスポーツ選手権公式サイト
ロケットリーグ部門 決勝大会
配信日時 3月13日(土)正午~午後5時(予定)
※全国高校eスポーツ選手権とは
「eスポーツを新たな文化に」という想いから誕生したeスポーツ選手権(主催:一般社団法人 全国高等学校eスポーツ連盟、株式会社毎日新聞社)。第1回は153チーム、第2回は222チームが参加し、数々の熱戦が繰り広げられた。ロケットリーグ部門とリーグ・オブ・レジェンド部門がある。
※ロケットリーグとは
プレイヤーはジャンプや飛行が可能な「バトルカー」を操作してサッカーを行う。相手ゴールにボールを入れると1点を獲得し、制限時間内により多くの得点を獲得したチームの勝利となる。
【取材日:2021年3月5日】 ※所属・学年は取材当時